医療・医薬・福祉 その他

GHIT FundとWHOが新たなパートナーシップを締結

GHIT Fund
WHOの「顧みられない熱帯病に関するロードマップ2021-2030」の達成に向けて




公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)と世界保健機関(WHO)は両機関のパートナーシップをさらに強化し、顧みられない熱帯病(NTDs)の分野において、安全で有効かつ安価な医薬品、ワクチン、診断薬へのアクセスを促進することを目的とした覚書を締結したことを発表いたします。

この度の覚書締結を通じて、以下の4つの分野において協業します。
1)顧みられない熱帯病(NTDs)の革新的なツールや治療の強化を目的とした研究開発
2)持続可能な調達システムやNTDへの投資を促進するためのケーススタディやツールを開発するための資金調達
3)国際社会および各地域での顧みられない熱帯病の認知度を向上させる活動や啓発活動
4)WHOが招集する顧みられない熱帯病ワーキンググループおよびタスクフォースにGHIT Fundがオブザーバーとして参加すること

WHOのグローバルNTDプログラム ディレクターのイブラヒマ・ソセ・フォールは次のように述べています。「GHIT FundとWHOの新たなパートナーシップは顧みられない熱帯病との闘いにおいて大きな前進です。両機関の協業は研究開発を加速させるだけでなく、NTDsを根絶するために必要な持続的な取り組みや資金調達メカニズムを構築することにもつながります。」

GHIT FundとWHOは、低中所得国(Low and Middle income countries: LMICs)における顧みられない熱帯病(NTDs)の新薬開発と上市に焦点をあて、活発な議論や積極的な協業を行ってきました。このパートナーシップを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)に加え、WHOが掲げるNTDsに関するロードマップ2021-2030の目標とターゲットの推進および達成のために、さらなる緊密な連携を継続していきます。WHOのNTDsに関するロードマップは、2030年までに21の疾患で構成されるNTDsの予防、制御、撲滅、根絶のための世界的な目標とマイルストーンを設定しています。

GHIT Fundは、マラリア、結核、NTDsに対する治療薬、ワクチン、診断薬の製品開発に投資(助成)し、日本の技術革新と世界的機関との連携を促進することで、顧みられない感染症に取り組み、グローバルヘルスに貢献しています。

GHIT Fund CEOの國井修は、「GHIT FundはWHOとのパートナーシップを通じて、2023年5月に長崎で開催さ れた 「G7保健大臣会合開催記念 国際シンポジウム 」で策定された「長崎アウトカム・ ステートメント」の取り組みを推進し、NTDsの研究開発の加速化を目指すとともに、少しでも早く苦しんでいる患者さんに薬を届けるため邁進していきます」と述べています。


【顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは】
NTDsは、世界で16億人以上の人々に影響を与える21の熱帯感染症を中心とした疾患群です。特に低中所得国の貧しい地域に偏り分布し、人々の健康や生活に大きな影響を与えています。これらの疾患に対し、治療薬、ワクチン、診断薬、などが必要な状況にも関わらず、資金や人材が不足し、研究開発が進んでいない状況があります。
参照:WHO(世界保健機関)https://www.who.int/health-topics/neglected-tropical-diseases 


【世界保健機関(WHO)について】
世界保健機関(World Health Organization:WHO)は「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として1948年に設立された国連の専門機関です。WHO憲章で「健康とは肉体的、精神的および社会的にもすべてが満たされた状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない。」と謳っています。世界の6つの地域にまたがる194の加盟国と150以上の事務所で活動するWHOの職員はすべての人々が健康と幸福を享受できるよう活動に専念しています。


【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資を行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org/jpをご覧ください。
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