Dr.純子のメディカルサロン

女性上司と適応障害
~表現法の違いとジェンダー意識に注意~ 第30回

 日本人は、世界で最も、言葉ではなく、雰囲気で気持ちを伝えるコミュニケーション方法を取るといわれています。

 米国人や豪州人は対照的に、言葉が全てのコミュニケーションです。普段、ほのめかしでNOを伝えられる文化で暮らしている人は、はっきりNOと言われると、自らの人格を否定されたように感じやすいのです。

結婚後も仕事を続ける女性は増えているが…(写真はイメージです)


 ◇相手に悪気はない

 中国人は日本人と同様、比較的高コンテキストです。しかし、Aさんの上司は米国でのビジネス経験が長く、そのために、はっきり物を伝える傾向があったのだと思われます。

 また、米国や豪州では、ほのめかすのではなく、はっきり駄目出しをする傾向があり、会議での異なる意見や提案はいいことという意識があります。

 このため、相手に悪気はなくとも、われわれには衝撃を受けることがあるのだと思います。提案にNOと言われると、人格を否定されたように思うものです。

 しかし、低コンテキストのコミュニケーションの上司に、そんなつもりはなく、提案についてだけNOと言っているのです。それを認識しないと、心が折れてしまうものです。

 ◇女性に仕事で負ける、は許せない?

 もう一つ気になるのは、いわゆるジェンダー意識です。日本の場合、男性の意識の中に「女性は控えめがいい」というイメージがあるのではないでしょうか。

 女性より仕事ができないといけない、女性に負けるなんてとんでもない、という思いを持つ方も多いと思います。

 女性の上司というのは許せても、女性にはっきりと仕事上の指摘を受けるという機会はまだ少なく、そうした環境がストレスになっている可能性もあるかと思われます。

 日本人女性が上司になる場合、コミュニケーションに注意を払い、相手を傷つけないように気を配る方が多いと思います。気を使いながら仕事をしている、と言う女性の声を聞くことがあります。

 ◇自分の心を守るために

 でも、海外の女性が上司になった場合、その方たちが異文化を理解し、コミュニケーションスタイルの違いに注意を払って業務を進めるとは限りません。

 自分の心を守るためには、これまでの日本のコミュニケーションスタイルの特徴に気付いて、仕事を進める必要があるかもしれません。

(文 海原純子)


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