治療・予防

40代から気を付けたい大腸憩室
炎症起こすと手術も

 大腸の内壁の一部が外側に飛び出してできる小さな袋を大腸憩室(けいしつ)といい、加齢によりできやすくなる。炎症を起こすと強い痛みが出て手術が必要になったりする。京都府立医科大学付属病院(京都市上京区)消化器外科の中西正芳准教授に聞いた。

便秘が元で大腸憩室に。日頃から予防を心掛けよう

 ▽便秘や加齢が関与

 大腸憩室は便秘などで大腸の内圧が高まると、腸管壁を支える筋肉層の弱い部分から粘膜が外側に飛び出して生じる。加齢に伴って筋肉が衰えると腸管壁が弱くなり、憩室が形成されやすくなる。

 「40歳を超えると、内視鏡による大腸がん検診で憩室が偶然見つかることが多くなり、年齢とともに増加します。40歳以上の10人に1人は憩室がある印象です」と中西准教授は話す。

 多くの場合、憩室ができても症状は無く、治療の必要はない。問題となるのは、憩室に便がたまり、細菌が繁殖して大腸憩室炎を起こした場合だ。

 ▽食物繊維で便秘を予防

 大腸憩室炎になると、腹痛や下痢、発熱、下血などが起こる。炎症により憩室が破裂すると、腸の内容物がこぼれて腹膜炎に至る。また、憩室炎を繰り返していると腸壁の筋肉が分厚くなり腸管が狭まるため、便秘の重症化や慢性化を招く。

 大腸憩室炎が疑われる場合は、コンピューター断層撮影(CT)や超音波検査、血液検査などを行う。治療では、痛みが軽ければ、下剤や細菌感染を抑える抗菌薬を服用する。痛みが強く高熱を伴う場合などは、入院して絶食し、点滴により抗菌薬を投与する。憩室が破裂している、腹膜炎や狭窄(きょうさく)による腸の閉塞(へいそく)などの合併症がある、再発を繰り返すなどの場合は、手術により憩室を切除する。

 「かつて大腸憩室は欧米人に多く、日本人にはあまり見られませんでしたが、近年は増加傾向にあります。食の欧米化によって、食物繊維の摂取量が減少したこととの関連が指摘されています。野菜や豆類など食物繊維が豊富な食品を取ることを心掛けて、日頃から便秘予防に努めましょう」と中西准教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)

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