インタビュー

つらい原因不明の慢性痛
生活にも大きな影響

 精神科医は、似たような身体症状を訴えるうつ病と識別することが大事な役目だ。痛みが続くことによるメンタル面への悪影響を中心に評価する。こうした問診で得られた情報と分析を基に、加藤医師が身体診察結果を加味して、各患者を悩ませる痛みの原因を見いだし、どう対処していけばいいかを患者や家族に説明、提案している。

 「一つの『認知行動療法的アプローチ』と言えるだろう。患者は抱いていた将来の不安や精神的苦痛を吐露し、慢性の痛みの原因と対応法を知り、痛み対応の目的は、痛みを軽減しながら、日常生活の改善にあることを知り、痛み対応の仕方を学習していくことを目指している」

治療は段階ごとに目標を設ける(加藤教授提供)

 ◇7割が日常生活改善

 この外来を受診した患者の約30%は、痛みの対応法についての理解と納得が得られ1回で終了し、残り患者は院内のペインクリニックやリハビリ科で治療が始まったり、かかりつけ医での診療に戻ったりするという。

 長期的にも治療の成果は出ている。加藤医師は「受診した患者の約7割が、最終的に日常生活が改善しているが、残る3割近くの患者の痛み対応につては、さらなる課題になっている」と話す。問診・診察・説明を丁寧に行うために、1日の予約枠は新患が2人と限定されている。

 最後に加藤医師は「急性痛は体の病気やけがを知らせてくれる警告としての役割を担っている痛みで、病気の改善やけがの修復に伴い消える痛みだ。一方で慢性痛は体の病気や異常を知らせてくれる警告としての痛みではなく、痛み自体の病気。急性痛対応とは異なる対応が必要になること、加えて治療の目標は痛みの軽減と日常生活の改善にあることを患者に知ってもらいたい」と付け加えた。(鈴木豊)

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