望まない妊娠防げ
緊急避妊薬、処方検索サイト開設
◇処方を認められているのは2薬
これに関して北村医師は、「現在国内で処方が認められている緊急避妊薬の商品名は、『ノルレボ錠1.5ミリグラム』もしくは『レボノルゲストレル錠1.5ミリグラム「F」』の2種類だけだ。医療機関で個人輸入された他の緊急避妊薬では、副作用で健康被害が生じた場合でも公的な補償が受けられないので、注意が必要だ」と言う。また、費用についても「バラツキがあるが、薬代や診察費用などを含めて1万円前後はかかると思ってほしい」と話している。
承認されている緊急避妊薬=あすか製薬、富士製薬工業提供
さらに、緊急事態の対処法であり、日常的な避妊法として勧められないことや避妊の失敗で性感染症に感染している危険もあるので受診時に相談するように、といったアドバイスも掲載されている。
◇性暴力被害者へのケアも課題
それでも、課題は残る。緊急避妊ピルの問題でしばしば取り上げられる性暴力被害者へのケアだ。被害者に対してはカウンセリングや関係機関への連絡などが必要だとされている。しかし、このサイトに掲載されている医療機関全てで、必要な対応ができるかどうかは確認されていない。
北村医師は「2005年から13年までに緊急避妊ピルの処方例485件を理由別に分析すると、『コンドーム破損』(31.8%)や『避妊せず』(23.1%)が多く、『レイプ』(3.9%)は少数だ。『望まない妊娠』全体を減らすには、緊急避妊ピルへのアクセスを容易にすることが重要だ」と指摘。一方で今後は、性暴力被害者への対応も可能な医療機関の選別と検索可能施設なリスト化も視野に入れる、と言う。(喜多宗太郎・鈴木豊)
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(2019/09/23 08:00)