インフルが早期流行の兆候
慌てる必要なし、従来通りの予防を
インフルエンザなどの予防接種呼び掛け
◇48時間以内に治療
早期治療が必要なことには理由がある。現在、治療に使われている抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えることで症状を重くせずに感染拡大を防ぐため、増殖のピーク前に投与しないと十分な効果が得られないからだ。「発熱などの症状が出てから48時間以内の治療開始が望ましい」と菅谷センター長は言う。
インフルエンザの特徴的な症状としては、38度以上の高熱と喉の痛み、激しいせきなどが挙げられる。注意したいのは、高齢者は感染してもこのようなはっきりした症状が表れないケースがあることだ。強い倦怠(けんたい)感や食欲不振が続いている高齢者は、感染を疑って医療機関で検査を受ける方がよいだろう。
菅谷憲夫センター長
◇気管支炎や肺炎誘発に注意
高齢者や乳幼児らは、治療後も症状が改善しなければ警戒が必要だ。インフルエンザの感染によって免疫力が低下したことで、症状が長引く細菌性の気管支炎や肺炎を誘発している可能性がある。このため、医療関係者は高齢者を対象に、インフルエンザと合わせて肺炎のリスクを下げる肺炎球菌ワクチンの予防接種を呼び掛けている。
菅谷センター長は「多くの場合、抗インフルエンザ薬の治療後、1〜2日前後で症状は軽減されるが、個人差もある。治療を受けてから3〜4日すぎても症状が続いている場合は、持病がない成人であっても肺炎などを疑い、医療機関を受診してほしい」と強調している。(喜多壮太郎・鈴木豊)
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(2019/10/24 07:01)