新米医師こーたの駆け出しクリニック
コロナから飲食店を守るためにすべきこと 専攻医・渡邉 昂汰
「いつまで自粛させられるのか、分からないし、これ以上の営業自粛は難しい。協力金ではスタッフの給与を支払うことができない」
東京・新橋の飲食店街で、店頭に掲げられた休業を知らせる看板=2021年9月9日、東京都港区【時事通信社】
飲食店経営者の友人が、このように嘆いていました。先の見えないコロナ禍で、飲食店に大きな負担を強いる状態が続いています。
◇せめて注文時にはマスクを
飲食店は間違いなく感染リスクの高い場所です。感染拡大の一番の原因と言っても過言ではない「ノーマスクでの会話」の温床になっているためです。
私は発熱外来で日々、コロナ陽性者の方の問診をしていますが、飲食店の利用者だけでなく、飲食店店員の感染も、とても多いことを実感しています。
感染リスクと店舗存続の間で苦しむ飲食店を守るためには、どうすれば良いのでしょうか。
本来であれば、黙食を徹底すべきです。しかし、飲食店利用の目的が友人との会話である人も多く、残念ながら、全ての利用者が順守するのは不可能でしょう。
それならば、せめて、店員を介した大規模な飲食店クラスターを生み出さないために、注文時など、店員と話をする際には、必ずマスクを装着するように配慮が必要です。
◇政府は出口戦略をしっかりと
感染リスクの高い環境で毎日働いていることを、ほとんどの店員の方は自覚されていると思います。
感染リスクを減らすためには、ワクチン接種は必要不可欠です。自治体によっては、優先的に接種することができますので、ご自身の自治体のホームページ等でご確認いただき、一刻も早い接種をお願いします。
見通しが立たないことは百も承知ですが、ワクチンをいつまでに、どれだけ打てるのか。そして、どれだけの人がワクチン接種できたら、さまざまな制限を解除するのか。はっきり道を示さないのであれば、営業停止に従わない飲食店も、ますます増えてくるのではないでしょうか。
ダラダラと税金を使って協力金を支払い続けるだけでなく、ワクチン接種者への段階的な制限解除という強いカードを切っていただきたいと思います。
渡邉 昂汰(わたなべ・こーた) 内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。
(2021/09/22 05:00)
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