治療・予防

突然襲う激しい腹痛―急性胆のう炎
命に関わるケースも

 右上腹部に突然激しい痛みが襲う急性胆のう炎。重症化すると合併症を引き起こし、治療が困難になるため、早めの診断・治療が重要だ。「急性胆管炎・胆嚢(たんのう)

ガイドライン2013」「同2018」の出版委員長である帝京大学(東京都板橋区)の高田忠敬名誉教授に話を聞いた。

右上腹部に突然襲う激しい痛み

 ▽胆石が主原因

 胆のうは右の脇腹、肝臓の真下に位置する80グラムほどの小さな臓器で、肝臓で作られる消化液「胆汁」を一時的に蓄え、濃縮させてから腸に送り出している。胆のうの働きが悪くなると、胆汁の成分が固まり胆石と呼ばれる結石ができる。急性胆のう炎は、主にこの胆石が胆汁の流れを妨げ、胆のうが細菌感染を起こすことで発症する。しかし、まれではあるが、胆石がないのに発症するケースもあるという。

 胆のうのある右上腹部が激しく痛み、押すと腫れ物に触れる感覚があり、熱があれば、急性胆のう炎が疑われる。軽症から重症へと進行していくこともあれば、発症した時点で重症の場合もある。

 高田名誉教授は「海外諸国との共同研究により、急性胆のう炎を発症後、72時間経過すると重症度が上がってしまうことが分かっています。炎症が進み、胆のうの壁が破れて胆汁が漏れてしまうと、腹膜炎や、全身に炎症が及ぶ敗血症を起こすこともあり、命を落としかねません」と警告する。のたうち回るような激痛を伴う場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診することが大切だ。

 ▽根治には胆のうの摘出

 急性胆のう炎は、超音波や血液の検査でほぼ診断がつく。治療法は重症度によって異なる。絶食や抗菌薬による治療もあるが、最も好ましい治療は、専門の内視鏡外科医による胆のう摘出手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)を、できるだけ早期に行うことだという。

 「軽症だからと放置すれば再発し、再発すれば症状はさらに重くなります。軽症であれば手術は簡単に済み、入院期間も短く、社会復帰がしやすくなります。胆のうを摘出しても、大きな影響はありません」と高田名誉教授。

 胆石が深く関わる急性胆のう炎。しかし、胆石があることに気付いていない人は少なくない。高田名誉教授は「急性胆のう炎は誰にでも起こり得る病気で、何の前触れもなく突然発症します。病気に対する知識があれば、いざという時も速やかに対応でき、症状を最小限に抑えることができます」と、病気を知ることの重要性を強調している。(メディカルトリビューン=時事)(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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