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病気を診ずして病人を診よ
~社会的な視野を持った医師を育てる―東京慈恵会医科大学~


 ◇広く社会的な視野を持った医師に

 少子高齢化が進み、病気を持った高齢者が増えていくと、若い世代が自己犠牲的に支えなければならない社会になってくる。富を山分けする社会から負担をみんなで分け合う社会に変わりつつある中で、医師は単に医療だけでなく、社会的なリーダーシップを取っていかなければならないと松藤学長は指摘する。

 「医学という専門は持った上で、変化していく社会にいつも目を向けながら、自分がどうすれば一番社会貢献できるか、人の苦しみを救うことを最大化できるかを考えられる医師になってほしい。そのためには学生時代に医学だけでなく、広く興味を外に向かって持ち続けることが大事ではないかと思います」(ジャーナリスト/中山あゆみ)

 松藤 千弥(まつふじ・せんや) 1983年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。89年同大学院博士課程修了、医学博士。講師、助教授を経て、2001年3月から教授。13年4月から現職。


【東京慈恵会医科大学 沿革】
1881年 成医会講習所を設立
  85年 有志共立東京病院看護婦教育所を設立(日本最古の看護師教育機関)
1921年 大学令に基づき東京慈恵会医科大学に昇格
  52年 学制改革により医学専門課程をもつ新制大学として設立
  56年 大学院医学研究科を設置
  60年 医学進学課程を設置
  92年 医学部看護学科を設置
2020年 附属病院新外来棟及び母子医療センターを開院

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