ヒポクラテスたちへDr.純子のメディカルサロン

「北帰行」 吉岡利忠 弘前学院大学学長

 東京慈恵会医科大学に入学したが、「東京」と名が付いているからか、入学生のほとんどが東京を含めた関東圏からであった。青森県弘前市出身者である私が自然に、地方出身の連中と仲間になったのは不思議ではない。秋田、山形、宮城各県と北海道、九州出身者とは卒後50年近くたっても楽しい付き合いが続いている。

 最近だけではないが、多くの地方高校生は「東京(首都圏)」に憧れ、その結果、大学進学時の人口移動を見ると流出超過はなんと37道県に見られ、流入超過は10都府県という(文部科学省)。流出の多い県は、茨城、長野、三重、和歌山、香川であり、青森もそれに続く。流入を見るとダントツは東京と京都であり、神奈川、大阪、福岡と続く。また、大学進学率では、東京、京都で60%以上。最低の青森との差は20%以上もある。18歳人口の減少も後押しして、入学定員未充足校は全私立大学において4割以上に上る。

 医科大学、医学部においても首都圏に多いことから地方からの流入は多くならざるを得ない。現在、所属している大学は3学部2学科2研究科がある地方小規模大学であり、全学年で1000人の収容人数である。

 データによると800人未満の私立大学はほぼ定員割れで、それ以上の大学では定員超過を起こしているという。キリスト教を背景として設立された本学は昨年創立130周年を迎えたが、歴史に支えられ地道に教育活動を進めているにもかかわらず定員割れだ。

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