Dr.純子のメディカルサロン

震災から6年のまちを訪ねて 久保田崇・元陸前高田市副市長

久保田 崇(くぼた・たかし)
1976年静岡県掛川市生まれ、京都大卒。内閣府に入り、英ケンブリッジ大でMBA取得。東日本大震災後の陸前高田市で副市長を4年間務めた(2011-15年)。日本心理カウンセラー協会正会員。16年から立命館大公共政策大学院教授。著書に「官僚に学ぶ仕事術」「官僚に学ぶ読書術」など。


◇熊本地震1年と東北の現状

 熊本地震から4月14日で1年がたちました。仮設住宅や「みなし仮設」で暮らす被災者は3月末で4万7725人(西日本新聞4月14日付)。一方で、東日本大震災から6年を経た東北の被災3県では1月末時点で東京電力福島第1原発事故の自主避難者を含めて7万1113人が仮設住宅で暮らしています(河北新報2月27日付)。

 その人数は、震災から1年後の12年3月時点に比べて31.9%まで減少しましたが、いまだにこれほど多くの方が仮設住宅での生活を余儀なくされていることに驚かれる方もいるのではないでしょうか。

久保田崇氏
◇立命館大の学生が被災地を訪問

 私が所属する立命館大は、復興支援のご縁により16年から岩手県大船渡市と包括連携協定を結んでいます。この協定に基づく「これまでとこれからの5年間をみつめるワークショップin大船渡」の実施や被災状況の視察、復興現場の「まちあるき」のため、16人の学生とともに3月24日から26日まで、大船渡市と陸前高田市を訪問しました。

 京都駅を夜9時に出発し、夜行バスとチャーターバスを乗り継ぐこと16時間。翌日昼すぎに到着した仮設の陸前高田市役所で戸羽太市長にごあいさつした後、復興最前線ツアーに参加しました。

 さらにその翌日は、大船渡市にて「メディア」「商店街」「観光」「住まい」の4つのテーマに分かれてまちあるきを実施し、ワークショップにも出席しました。

三陸鉄道南リアス線の「恋し浜」駅(大船渡市三陸町)。ホタテ貝の絵馬掛けで有名。右端が筆者


  • 1
  • 2

メディカルサロン