Dr.純子のメディカルサロン

震災から6年のまちを訪ねて 久保田崇・元陸前高田市副市長

◇復興に携わる人々との出会い

 初めて被災地に足を踏み入れる学生が多かったのですが、行き交うダンプカーの多さ、地盤のかさ上げ盛り土工事、商業施設や防潮堤の建設など、町全体がダイナミックにつくり直されている様子に衝撃を受けていました。

 また、現地の方や自治体職員だけでなく、なんらかのご縁により「よそもの」でありながら復興に関わっている方との出会いを通じて、復興は人のつながりがとても大切であるということを学んだようです。

一般社団法人マルゴト陸前高田が主催する「復興最前線ツアー」に参加

◇「スタディーツアー」から得る学び

 インフラの復興のみならず、どうやって来訪者を増やすかは、被災地においても大きな課題です。観光でもボランティアでもなく、「スタディーツアー」の参加者として現地を訪れ、復興の現場とそこに関わる方々と触れ合うことによって学び、感じ取れるものは、とても大きいと改めて感じました。

 今回現地でお世話になった方々に心から感謝いたします。今後もこのコーナーでは、被災地で経験したことや防災について、お伝えしていきます。【久保田崇】


 久保田崇さんは、陸前高田市で復興の最前線にいた方です。東日本大震災直後にボランティアとして同市を訪れたことがきっかけとなり、戸羽太市長に請われて副市長に就任。2015年まで務めました。
徳島市で2015年に開催された「防災シンポジウム」にて。左は久保田崇氏
 私は13年に、復興庁の「心の健康サポート事業」の責任者として、久保田さんらの協力を得て、津波被害が大きかった地区を調査しました。調査からは、被災して転居を余儀なくされても周りの人とのつながりや信頼感があれば生活満足度は低下せず、心の健康が保たれることが分かりました。
調査結果はこちら
 久保田さんと私は調査結果を現場で実感しており、徳島県のように南海トラフ地震の被害が予想される地域で、防災知識の普及に向けて一緒に活動しています。【医学博士 海原純子】

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