高齢者に多いパーキンソン病=症状のコントロールは可能
2016年6月に亡くなった元プロボクサーのモハメド・アリ氏をはじめ、多くの著名人が発症したことでも知られるパーキンソン病。原因不明の難病で、日本では約15万人の患者がいるという。順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)脳神経内科の服部信孝教授に話を聞いた。
◇ドーパミン不足が影響
この病気について、服部教授は「じっとしているときに手足が震える静止時振戦、筋肉がこわばる筋固縮、動作が遅くなる無動、バランスを崩したときに反射的に立て直すことができない姿勢反射障害―の四つの症状のうち、二つ以上があればパーキンソン病が疑われます」と説明する。
体を動かす際に脳内で放出される神経伝達物質のドーパミンが不足するために、こうした運動障害が起こることは分かっている。なぜ不足するのか、その根本的な原因は解明されていないが、60歳以上で発症する人が多く、加齢が重要な危険因子であることは間違いないようだ。若くして発症する人もまれにいるが、若年性パーキンソン病の場合は遺伝子の関与が明確だという。
また、「データがあるわけではありませんが、確実に一つのことを成し遂げる、いわゆる真面目な人に多く、きっちり仕事をしてきた人がこれから人生を楽しもうというときに発症するというイメージがあります」と服部教授は言う。
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(2017/07/06 14:40)