Dr.純子のメディカルサロン

5月連休にお薦めの映画や本
~仕事忘れてリラックス~

 ゴールデンウイークは旅行をしないで家でゆっくり過ごすという方も多いでしょう。そんな方にはこんな映画と本はいかがでしょう。気持ちがくつろげて仕事とは無関係な時間を楽しみたいものです。音楽が素敵な懐かしい映画3本と、音楽がテーマの小説を選んでみました。

(文 海原純子)
映画レイニーデイ・イン・ニューヨークに登場する名所の一つ、セントラルパーク=EPA時事

映画レイニーデイ・イン・ニューヨークに登場する名所の一つ、セントラルパーク=EPA時事

 ◇3作品、音楽がストーリー引き立てる

 まず旅行気分を楽しめるのは「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」。2019年のウディ・アレン監督の作品です。大学生カップルのNYでのデートの計画に次々と想定外のことが起こるというストーリーですが、セントラルパーク、グリニッチビレッジ、ホテルプラザアテネ、ホテルピエール、メトロポリタン美術館などNYの名所がロケに使われていて、映画を見ながらNY気分を味わえます。映画の中で使われるジャズのスタンダードナンバーも効果的でストーリーにぴったりです。

 次にご紹介したいのは、シドニー・ポラック総指揮、スティーブ・クローブス監督、ミシェル・ファイファーとブリッジス兄弟主演の「恋の行方」。1989年の作品です。ミシェルはジャズ歌手を吹き替えなしで演じ、この作品でゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞しています。売れないピアノデュオが女性歌手をメンバーにしたことで急に人気が出て売れ始めるのですが、メンバーの一人とミシェル演じる女性歌手が恋に落ちて3人の関係が壊れていくというストーリーで、ミシェルが非常に魅力的です。私はこの作品が大好きで何度も見ましたが、何度見ても素敵だなと思います。取り上げられるジャズのスタンダードナンバーも選曲が良く、ライブの演出も興味を引きます。

 三つ目はさらに古い作品ですが、1973年の米映画「追憶」。バーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォード主演、シドニー・ポラック監督で、第46回アカデミー賞歌曲賞を受賞しています。映画は見たことがなくても「The way we were」 の曲は知っている若者も多いでしょう。第2次世界大戦前後の混乱期を舞台に、お互いに愛し合いながら政治活動にのめり込んでいく女性と、政治とは距離を置き脚本家として生きていく道を選んだ男性の20年にわたる出会いと別れの物語を描いた作品です。若い頃この映画をご覧になった方は自分の人生と重ね合わせて見ることができるのではないでしょうか。

 ◇カズオ・イシグロの短編小説

 最後に本の紹介です。普段は実用書が多いという方なら小説はいかがでしょう。カズオ・イシグロの「夜想曲集」には「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」というサブタイトルが付いています。ブッカー賞やノーベル賞を受賞した同氏の初めての短編集で、ふっと笑えると同時に何か悲しい不思議な感情が浮かんでくる物語です。ミュージシャンたちの人生に共感する部分があるのかもしれません。連休の夕暮れに読むのがいいかなという感じがします。(了)

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