治療・予防

白内障、手術で改善期待
~40代以上は1度検診を(筑波大学付属病院 大鹿哲郎教授)~

 年齢を重ねるほど発症率が上がる白内障。主な原因は加齢で、60歳を超えると発症率が高くなり、70歳代では約8~9割、80歳以上ではほぼ全員に生じている。

 高齢者の代表的な目の病気と思われがちだが、糖尿病アトピー性皮膚炎、強度近視などがあると白内障を合併しやすい。筑波大学付属病院(茨城県つくば市)眼科の大鹿哲郎教授は「10~20代の若年層でも白内障を発症する人はいます」と話す。

単焦点レンズ(左)と多焦点レンズの見え方の違い

単焦点レンズ(左)と多焦点レンズの見え方の違い

 ◇根本治療は手術のみ

 白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が白く濁り、視力が低下する病気だ。視野全体が白っぽくかすんで見え光をまぶしく感じる、視界がぼやける、目がかすむといった症状が表れる。他にも左右の目で明るさが違う、物が二重、三重に見えるといった症状が出ることもある。

 加齢による白内障は進行が遅く、初期では自覚症状が無いケースも多い。いつもと違う見え方になったと感じたら、眼科で検査を受けることが重要だ。「40代になると老眼や緑内障など他の目の病気を発症する確率が高くなります。特に症状がなくても、40歳になったら1度は眼科検診を受けましょう」

 白内障を根本的に治すには手術が必要になる。手術では、混濁してしまった水晶体を超音波で細かく砕いて取り除き、水晶体の代わりとなる人工の眼内レンズを埋め込む。手術自体は通常10~20分程度で終了する。

 手術の時期については、「日常生活に支障を来すほど物が見えにくく不自由を感じているなら、手術を受けるタイミングです。我慢せずに治療することをお勧めします」。

 ◇レンズの選択肢拡大

 眼内レンズには、一カ所にピントを合わせる「単焦点レンズ」と、2、3カ所や、遠くから近くまで連続的にピントを合わせる機能を持つ「多焦点レンズ」がある。

 単焦点レンズは見え方の質が良く、保険適用で費用も比較的安いため、現時点では単焦点レンズを選ぶ人がほとんどだ。多焦点レンズは、単焦点レンズより眼鏡の利用頻度は減るが、くっきりと見えない、費用が高いなどのデメリットもある。「特に暗所で見えにくく、夜間の車の運転には不向きです」

 近年は保険適用の多焦点レンズも出てきている。遠方と中間の二点にピントが合う最新の多焦点レンズは夜間の運転も可能で、選択肢はさらに広がっている。大鹿教授は「手元の作業が多い人なら近くに焦点が合う単焦点、眼鏡をかける頻度を減らしたい人なら多焦点など、ご本人のライフスタイルに合わせて選択することが大切です。手術の前に主治医とよく相談して、納得のいくレンズを選んでください」と助言している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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