繰り返す子どもの発熱 =PFAPA症候群とは
子どもは風邪を引くと、へんとうが腫れて熱を出しやすい。しかし、学校生活に影響が及ぶほど周期的に高熱が出て、病院で処方される抗菌薬でも熱が下がりにくい場合には「PFAPA症候群」の恐れがある。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)感覚器・形態外科部耳鼻咽喉科の守本倫子医長に聞いた。
◇周期的な40度の熱
PFAPA症候群は、子どものへんとう炎に関連する病気として近年注目されている周期的発熱のこと。比較的新しい病気の概念で、この病気が知られる以前は、抗菌薬が効きにくいへんとう炎と診断されていた可能性がある。
まだ分かっていないことも多いが、「免疫の反応が未熟だったり、破綻したりすることで起こる自己炎症疾患の一つとも考えられています」と語る守本医長。
症状はへんとうに白い膿栓(のうせん)が付着したり、口内炎ができたりし、1~2カ月の間隔で周期的に40度近い発熱が4~5日間続くのが特徴だ。体の節々の痛みもあり、起き上がることが困難なケースもあるという。
「へんとう炎では抗菌薬が効くのに対して、PFAPA症候群では効果があまり期待できません。ところが、ステロイドを服用すると、わずか2時間で熱が下がります」。ステロイドには強い抗炎症作用と免疫抑制作用があることから、PFAPA症候群は自己炎症疾患だと考えられている。
だが、発熱のたびにステロイドを服用していると、だんだん発熱周期が短くなってしまう恐れがある。「最も効果的なのは、1週間程度入院してへんとうを摘出してしまうことですが、どうして治るのかはまだ分かっていません」と守本医長。
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(2017/11/30 14:12)