インタビュー

甘く見ないで 月経の体調不良=子育て世代は我慢し過ぎ

 ◇自分を責めるな
 吉野さんは同診療所を訪れる女性たちの悩みや不安とともに、時には愚痴にも向き合う。育児のストレスから子どもにあたってしまったという女性は「私は大変なことをしてしまった」と落ち込んでいた。仕事をしながら育児をする女性は「仕事と育児の両立ができない。私に能力がないからだ」と、追い詰められた心情を吐露した。
 「そんなことはありません。あなたは子どもを産み、育てるというすごいことをしているのですよ」。育児は子どもを産んだ女性だけが担うものではない。子どもに何かあれば、夫や周囲は妻を責める。だが、子どもを無事に育てあげても、夫が妻に感謝の言葉をかけることはない―。そんな風潮に疑問を抱く吉野さんのアドバイスに涙ぐむ女性も多いという。
 一方、吉野さんは産婦人科に付きまとうマイナスイメージを危惧する。近隣の大学で月に1度、女子大生の健康相談を行っている。ある学生は月経痛がひどく、よく保健室で寝ている。1年間も月経がない、という学生もいる。なぜ、受診しないのか? 「 産婦人科は行きづらい」と彼女たちは言う。そんな気持ちは子育て中の女性も同じだ。同診療所では、診察室での会話が漏れないようにする防音対策を施したり、女性がくつろげるよう待合室を広くしたりするなどの工夫をしている。産婦人科では最近、女性目線での配慮を心掛けるクリニックも多くなってきている。
  「我慢しないでください」
「自分を追い詰めないでください」
子育て世代を含む女性に送る吉野さんのメッセージだ。(鈴木豊)

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