ヘルスコミュニケーションDr.純子のメディカルサロン

肺がんと闘う 患者NPO代表 長谷川一男さん

 海原 闘病を支えたご自分の心の強さはどこからくるのですか。闘病のお話をブログで読ませていただき、多くのサバイバーの方たちが自分も大丈夫だという気持ちになるように思えました。

 長谷川 本当ですか。そう思ってもらえたら、とてもうれしいです。自分自身が大切にしているのは「治療に納得しているか」ということです。

 命に限りがあると告げられて生きていく中で、おびえていたくない、という思いが強くあります。再発の不安、増悪の不安、副作用の不安。治療を進めていく中で患者は不安しか感じません。その中で、おびえないで生きていくためにどうするのかと考えてきました。

 答えは簡単に出ません。でも治療選択に際して、先生と相談し、自分自身でも勉強し、納得して選んでいれば、「おびえ」を少しでも減らせるのではないかと思っています。問題は解決しませんが、目の前から少しずらすことはできるのではないか、そう思っています。

 海原 長谷川さんがNPO法人「肺がん患者の会ワンステップ」を立ち上げた思いを教えてください。ワンステップのホームページを拝見しましたが、非常に頼りになるという印象を受けました。

 長谷川 ありがとうございます。肺がんになると不安ばかりです。病気のことだけではありません。お金のこと、仕事のこと、次から次へと悩みや不安はやってきます。これは私自身のことですが、そんな不安な状態から私を救ってくれたのは、同じ立場で病気に向き合う患者さんの言葉でした。

 どれだけ勇気づけられたことか。決して忘れることはないでしょう。逆もあります。自分自身の行動や言葉が、人の役に立つ場合があることも知りました。たぶん、こういう関係は「仲間」と言うんですよね。そんな仲間が集う場をつくりたかったんです。そして納得のいく治療をお互いに探せたらと思います。


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