インタビュー

怖い睡眠時無呼吸症候群=高血圧や動脈硬化誘発

 ◇遠隔診療に注目

  SASを治療するには十分な経験が必要だが、限られた数の専門医は今後、患者数の増加などにどう対応していくべきなのか。この点について成井部長はITを使った遠隔診療の有効性に注目する。

「機材の小型化が進めば、CPAP治療を受ける患者が増えるでしょう」と語る成井浩司部長
 「CPAPからのデータや測定した血圧値などをインターネットを介して1カ所に集積する。専門医はこのデータをモニターし、必要に応じて電話でのカウンセリングをしたり、予定より早い受診を患者に求めたりすることができる」。病状が安定している患者なら、このような遠隔診療を組み合わせれば、数カ月に1回の受診で十分に治療効果を上げることができる。これにより患者の受診回数を減らし、より多くの患者の診療や経過観察が可能になる。さらに合併している高血圧症や不眠症の治療に際しても、それぞれの分野の専門医やかかりつけ医とも連携がとりやすくなるという。(了)

【用語説明】 

  睡眠時無呼吸症候群(SAS) 就寝時に何らかの理由で気道が閉じ(閉塞)、断続的に無呼吸に陥る症状の総称。酸欠状態で断続的に覚醒(目覚め)を繰り返すが、覚醒自体は短時間のため記憶されない。睡眠の質が悪化して昼間に強い眠気を感じるほか、酸欠を補うために大きないびきをかくことが多い。診断は指先にセンサーを装着して就寝中の血中酸素濃度を測定し、疑いが強い場合は一泊入院で、頭部などにセンサーを着けて脳波を測定する必要がある。

 経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAP治療) 現在のSAS治療の中核で、鼻に装着したマスクをコンプレッサーに接続し、就寝中一定の気圧で空気を鼻から気道に送ることで閉塞を防ぐ。1981年に開発され、98年に健康保険の適用となっている。ただしSAS患者すべてに適用は認められず、一定の条件を満たす必要がある。近年は小型化静寂化が進み、家庭だけでなく、旅行先でも使用できる携帯型も登場した。2007年度に約14万7千台だった保険適用台数は14年度には同35万5千台になり、現在では45万台を超えていると予想される。(鈴木豊、喜多壮太郎)

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