インタビュー

怖い睡眠時無呼吸症候群=高血圧や動脈硬化誘発

 就寝中は断続的に激しくいびきをかき、昼間に強い眠気に襲われるのが睡眠時無呼吸症候群(SAS)=用語説明参照=だ。この病名は2003年に新幹線運転士が運転中に居眠りしてしまった問題で認知度を高めたが、実際の症状や治療法はまだまだ知られていない。1985年からSAS治療に取り組んできた虎の門病院(東京都港区)睡眠呼吸器科の成井浩司部長に現状を説明してもらった。

 ◇推定患者は500万人超

SAS治療に長年取り組んできた虎の門病院(東京都港区)睡眠呼吸器科の成井浩司部長
 「肥満がSASの大きな原因であることに間違いはないが、顎が小さいことや副鼻腔炎による鼻詰まりによってもSASの発症率は高まる」と成井部長は指摘する。国内のある研究では成人男性の9%、女性の3%が発症しているとされるので、患者数は500万人以上と推定される。しかし、必要な治療を受けている人は10%程度にすぎず、診断・治療を受けていない患者が大半を占めるとみられる。

 昼間の強い眠気や度重なる居眠りが問題というイメージがあるSASだが、高血圧や動脈硬化を引き起こしたり、症状を悪化させたりするケースもあるのでやっかいだ。「高血圧の治療でなかなか効果が上がらなかったり、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを高めたりする危険性が考えられる。SASは睡眠障害だけでなく、全身疾患の一つとしてとらえるべきだ」。SASを発症した場合、本来熟睡中は沈静化している交感神経が刺激されて副交感神経に対して優位になり、動脈硬化を促進してしまう。そして動脈硬化は高血圧症の誘因になり、心筋梗塞や不整脈の発症リスクを高める。

 

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