インタビュー

怖い睡眠時無呼吸症候群=高血圧や動脈硬化誘発

 ◇専門医が継続的関与を

 

旅客機内でも使用可能なまでに小型化された「経鼻的持続陽圧呼吸法」(CPAP)治療器=成井浩司部長提供
 「減塩など食生活の改善や降圧剤服用などの高血圧治療がなかなか効果を上げない場合は、一度SASを疑って医師に相談する。必要であればSASの専門医のいる医療機関を受診してほしい」と成井部長は訴える。SASを合併している高血圧患者は、心臓や脳の重い病気を引き起こす可能性がより高い「早朝高血圧」などを引き起こしやすくなるからだ。

 治療としては、就寝中の口呼吸を避け気道を確保する方法が有効。マウスピースの装用や、一定圧の空気をマスクから送り続ける「経鼻的持続陽圧呼吸法」(CPAP治療)=用語説明参照=があり、どちらも一定の診断基準を満たせば健康保険が適用される。

 「治療法としては手軽さや効果の面では一長一短。ただ、どちらも症状を一時的に緩和するだけで、原因を抜本的に改善するものではない。原因が副鼻腔炎などの場合はその疾患の治療を、肥満であれば生活の改善や運動で減量する治療を続けなければならず、専門医の継続的な関与が必要になる」

精密な確定診断には、入院し頭部にセンサーを着けた脳波測定などの検査が必要なSAS=東京都調布市内の専門クリニック
 なぜ専門医を受診した方が良いのか。CPAP治療を例に取ると、治療する側が把握していなければいけない事項が多いからだ。「マスクを正しく装着して就寝しているのか、マスクへ空気を送り込む圧力は適切なのかといったことにとどまらない」と成井部長。昼間の眠気や夜間の就寝状態の推移に加え、高血圧症などの合併症があればその病状の変化を把握することも求められる。

 


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