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日本の喫煙者が肺がん患者に冷たい理由 澤祥幸・岐阜市民病院診療局長

 日本臨床腫瘍学会で発表する澤先生
  喫煙者にどんなに穏やかに冷静にたばこのリスクを伝えても、しばしば反発されます。それまでの態度が急変する人さえいます。声を荒らげて感情的です。

 たばこに依存している人は、問題点を指摘されると、責められているような気分になり、攻撃的な発言になりやすいのでしょう。同様に禁煙、喫煙の話題も、時に激しい反発を招きます。こうした点に関して、肺がんのアドボカシー(啓発・政策提言)活動に長年携わっている岐阜市民病院の診療局長(がんセンター長)、澤祥幸先生にお話を伺いました。


 肺がん症状認識率は世界最低レベル

 海原 澤先生は今年の日本臨床腫瘍学会で「国際肺がん連盟の国際アンケート結果の日本の特徴」について発表しました。日本の喫煙者は肺がん患者に共感度が低いという結果ですが、先生はこれをどのようにお考えでしょうか。

 (上段)調査25カ国全体の肺がん症状認識度は65%であり、女性、高齢者で認識度が高い(下段)肺がんの症状の認識度に関して日本は最下位(赤矢印)
 澤 今回の国際肺がん連盟によるアンケート調査は、加盟25カ国において2017年に実施されたものです。(1)肺がんの症状について国民がどれだけ知っているか(2)肺がんと喫煙の関係を伝えた上で肺がん患者に共感(同情)するか―を尋ねたものです。残念ながら、日本は肺がん認知度が高い割に、肺がん症状の認識率は調査国の中で最低クラスでした(図1)。

 海原 肺がんに関する情報はかなり多いと思いますが、症状について認識している方や正確な知識をご存知の方が少ないということでしょうか。

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