一流に学ぶ 天皇陛下の執刀医―天野篤氏

(第3回)病弱な父見て医師志す =勉強のスイッチは入らず

【用語説明】
 (用語1)過敏性腸症候群(IBS) 原因となる病気がないのに、腹痛や腹部不快感があり、便秘や下痢などの便通異常を繰り返す。突然、腹痛とともに激しい便意が襲ってくるため、通勤途中の電車などで焦ってトイレに駆け込んだり、試験前や大事な会議の前に急におなかが痛くなったりするなど日常生活に大きな支障を来す。排便により症状が緩和されるのが特徴。診断基準が普及したのは1990年代で、それまでは一般的に知られておらず、適切な治療が受けられないことも多かった。2008年に腸の運動異常や痛みを感じやすくなった状態を改善させる治療薬が登場し、治療法が大きく進歩した。
 (用語2)心臓弁膜症 心臓の中で血液の流れを一方向に保つための弁がうまく働かなくなる病気。動悸(どうき)や息切れ、疲れやすい、胸痛、呼吸困難などの症状がある。弁の開きが悪くなる「狭窄(きょうさく)」や、血液の流れが妨げられ、弁が完全に閉じなくなる「閉鎖不全」を起こすと、血液が逆流して、心臓が全身に血液を届けるポンプとしての役割を十分に果たせなくなる。症状が軽いうちは薬物療法で様子を見るが、根本的な治療は手術で弁を修復するか人工弁置換術が必要。近年は開胸手術のほかに、太ももの付け根などから細い管を入れて弁を付け替える「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)」も行われている。
 (用語3)うっ血性心不全 心臓のポンプ機能の低下で全身に必要な血液を送り出すことができなくなり、肺や末梢(まっしょう)の組織がむくんでしまった状態。主な症状は呼吸困難で、就寝後しばらくしてから苦しくなる「夜間発作性呼吸困難」、上半身を起こすと少し楽になる「起座(きざ)呼吸」が特徴。狭心症、心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈など原因となる病気によって治療法が異なる。(ジャーナリスト・中山あゆみ)

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