水上健 医師 (みずかみたけし)

国立病院機構 久里浜医療センター

神奈川県横須賀市野比5-3-1

  • IBS・便秘外来
  • 内視鏡部長

消化器科 内科

専門

便秘

水上健

久里浜医療センター・IBS(過敏性腸症候群)・便秘外来において、消化管がん検診・過敏性腸症候群や便秘などの便通障害に対応。患者に対する的確な診断と併せて、心身ともに安心を運ぶ優しき名医であり、無麻酔で痛みの少ない大腸鏡挿入法「浸水法」の研究開発によって世界をリードする存在である。
浸水法は国内外で導入され、2010年にはスタンフォード大学で論文も発表されている。また、アメリカ・サクラメントを始め、ドイツでも大学を含め3カ所講演と指導を行っており、水上医師自身も100人以上のドイツ人の大腸内視鏡を施行した。さらにストレスと無関係な過敏性腸症候群の病態があることを発見し、新しい治療法を開発した。

診療内容

従来は日本国内のアルコール依存症治療でトップクラスの施設、NHO久里浜医療センターが、さらに充実した医療を展開するために拡大された。その代表的な存在として「浸水法」の開発などで世界水準の技術を有するエキスパート・水上健医師を中心とした「IBS・便秘外来」が挙げられる。
水上医師は、大腸がん検診として約6千人の注腸造影2万人の大腸内視鏡を施行して大腸の腫瘍・炎症と共に腸管の運動・形態に注目してきた。注腸造影では全例の腸管形態をスケッチし、腸を膨らまさず・伸ばさず、腸の形態に合わせた挿入をする“大腸にやさしい”無麻酔大腸鏡挿入法「浸水法」の開発に至った。この方法は、現在は国内のみならずスタンフォード大学やUCLAなど海外でも広く導入された合理的で容易な方法である。ドイツでも講演や指導、自ら100例に及ぶ検査などを実施。地元メディアで取り上げられるなど高い評価を受けた。スタンフォード大学からは「従来法との比較で苦痛が少ない」「挿入時間の短縮が図れる」といった内容の論文が発表され国内外で広く使われるようになった。
同外来では音楽を聴きながら会話を交わすなど、和やかな雰囲気の中で行われることも特徴の一つであり、患者にとっても大きな安心と安全を運ぶものである。さらに水上医師は、心理的緊張によって下痢や腹痛を起こすと言われる「過敏性腸症候群(IBS)」やこれまで病態を示しにくかった「便秘」に対し、浸水法を用いた画像と問診から評価する病態解析でこれまでとは違った病態を突き止め、新しい治療を発見するに至った。具体的には、IBSの病態として「腸管運動異常型」と「腸管形態異常型」と「胆汁性下痢症」の3つがあることを見出し「腸管運動異常型」はストレスが関係するためイリボーRや抗不安薬、抗うつ薬を用い、「腸管形態異常型」は“硬便の栓”を予防する少量の緩下剤と腸管の捻れを緩めるエクササイズ・マッサージを行い、「胆汁性下痢症」には血液のコレステロールの値を参考に高脂血症治療薬である胆汁酸吸着薬を用いることで各各に応じた適切かつ効果的な治療を選択することが可能となった。
便秘の病態として従来から言われていた「痙攣性便秘」「直腸性便秘」とIBSでも見られた「腸管形態異常型」、長期内服した下剤の結果である「弛緩性便秘」が腹部単純写真と問診から目に見える形でわかりやすく提示できることを発見し、それぞれの病態に合わせた効果的な治療選択を可能とした。さらにIBSや便秘の40%以上が小児期発症であることから小児期における早期発見・治療に取り組んでおり、小児科学会・小児心身医学会・小児栄養消化器肝臓学会など国内外の学会で小児期から成人へ移行するIBSと便秘の病態と治療につき報告している。
診察・検査は、1)問診票による病態メカニズムの推測。 2)腹部レントゲン・腹部診察による便やガス・腸管形態の評価。3)ストレス・自律神経機能評価。を行って病態の説明と治療選択を行う。50歳以上や便潜血陽性など腸の病気が疑われる場合、治療が難渋する場合は 4)大腸内視鏡による腸の炎症や腫瘍の除外とともに腸管運動異常(ストレスによる)の観察。 4)大腸内視鏡直後にCTコロノグラフィーを撮影して腸管形態客観的評価。を行って患者自身がIBSや便秘の病態を理解・納得して治療を行えるようにしている。
水上医師は、病院ホームページで「ご自身の腸を知ってよい付き合い方を見つけましょう」と語り、本取材に当たっても「従来治療が無効だった方に特にいらして頂きたく思っております」と述べている。

医師プロフィール

1990年 慶應義塾大学医学部卒業、同内科学教室入局
1994年 慶應義塾大学消化器内科学教室入局
1996年 水戸赤十字病院内科出向
2007年 横浜市立市民病院内視鏡センター長
2011年 NHO久里浜医療センター内視鏡部長
2011年7月~9月 Heidelberg大学Salem Medical Center客員教授として出向