平川均 医師 (ひらかわひとし)

東海大学医学部付属八王子病院

東京都八王子市石川町1838

  • 小児外科
  • 医長、准教授

小児外科 外科

専門

子供の便秘

平川均

平川医師_集合写真幅広い小児外科疾患診療に携わって25年。アイルランドでの2年間の留学経験を生かして、特に子供の便秘を専門とし、手術を要するヒルシュスプルング病から器質的な障害を持たない慢性便秘まで、患者の症状に合わせた治療を提供している。慢性便秘の治療には、下剤や整腸剤などの内服薬と浣腸や坐薬などの外用薬を組み合わせた薬物療法を行う。また、漢方治療にも積極的に取り組んでいる。子供の症状を客観的に評価するために独自の便秘スコアを作成するなど、より良い医療の提供に努める。

診療内容

15才(中学生)以下の小児外科疾患全般の診療を鄭 英里(てい えり)医師と共に2人体制で当たっている。診療の対象疾患は、頻度の多い鼡径ヘルニア、急性虫垂炎、腸重積の他、出生直後から発症する消化器疾患、摘出を要する小児がん、陰茎・陰嚢・精巣・卵巣などの泌尿・生殖器疾患、腹部外傷、熱傷、異物誤飲など幅広い。
特に専門とするのはヒルシュスプルング病をはじめとする排便障害。ヒルシュスプルング病は先天的な病気で、腸の神経節細胞が無いために便秘や腹満が起こり、手術が治療に必要だ。
一方、子どもの便秘の大半は手術を要さない慢性便秘だ。便が出ない・出にくい、便が硬い、便に血が混じる、腹痛、食欲低下などの訴えで6才までの乳幼児期に発症することが多く、腸管機能の未熟性、離乳など食事内容の変化、トイレトレーニングに伴う心因的要因、排便に対する誤った学習が原因になることがある。
慢性便秘に対する治療としては、下剤や整腸剤などの内服薬と浣腸や坐薬の外用薬などを、患者の排便状態に応じて組み合わせた薬物療法を行う。硬便の回りから軟便が漏出する矛盾性便失禁のある患児に対しては、まず数日間の浣腸を施行し、大腸内の便塊を一掃した後に投薬を行う。また、東洋医学にも造詣が深く、薬物療法の選択肢の中に漢方薬を積極的に取り入れることで、治療の幅を広げている。中でも大建中湯(朝鮮人参・生姜・山椒・飴から構成される。)を、どんな子供でも飲めるように服用の仕方も工夫しながら、西洋薬と組み合わせることで、小児便秘に対する最良の治療法の確立を目指している。さらに、小児の慢性便秘は幼さゆえ訴えが不明瞭となり、客観的な評価が困難であるという考えから、排便回数・症状・便性と腹部所見・レントゲン撮影による便塊量から独自の 「小児便秘スコア」を作成。便秘の程度や治療効果を客観的に評価し、重症度に応じた適切な治療を提供することが可能となっている。
慢性便秘は器質的疾患を伴わないとはいえ、子供の心身にとって大変な負担となる。治療の際には薬物療法に加え、食事療法、運動療法、食後の排便習慣の確立、保護者への便秘についての理解を促すなど、多方向からアプローチをすることで、一刻も早い症状の改善を目指している。

医師プロフィール

1985年 東海大学医学部卒業 東海大学病院勤務
1992~94年 アイルランドへ留学
2009年 東海大学八王子病院へ出向、現在に到る