山口俊晴 医師 (やまぐちとしはる)

がん研有明病院

東京都江東区有明3-8-31

  • 消化器センター
  • 病院長

消化器科 消化器外科

専門

外科学一般(特に消化器外科)、外科治療、抗がん剤治療、胃がん

山口俊晴

がん研有明病院の病院長である山口俊晴医師は、消化器センターでは進行がんの治療において日本トップレベルの実績を誇り、世界でも有数の成績を持つ、胃がんスペシャリストである。
腹腔鏡手術では、傷がほとんどない胃がんの手術「完全鏡視下手術」を数多く手がける。胃をなるべく残し機能を温存する機能温存手術、特殊な光で観察するNBI内視鏡や超音波内視鏡検査など特殊な検査を行い、治療前の検査をより正確にするとともに、手術中にリンパ節などの転移を確認する術中迅速診断を積極的に行っている。
山口医師は胃がんの「治療ガイドライン」初版から3版まで作成委員を務めていた。NHKの「今日の健康」、「名医にQ」などに胃がんの専門家として出演。

診療内容

日本では、年間10万人を超える胃がん患者が治療を受けている。近年、診断法も進歩し、早期に発見される確率は高い。消化器系のがんの中で、胃がんは大腸がんと並んで治りやすい病気である。
治療は、原則として日本胃癌学会によって作成された「診療ガイドライン」に沿って行われており、進行度はIからIVのステージで表され、各ステージごとの標準的な治療法が定められている。日本全国どこでも同じような治療が受けられ、病院によってばらつきがないようにするためである。山口医師は胃がん治療ガイドライン作成にも参加してきた。
「ガイドラインに示された治療は、あくまで一般的な治療法です。持病や合併症などがある患者さんは当てはまらないケースもあります。その場合は、ガイドラインでおおよその流れを把握したら、患者さんにあった治療を考えていきます。最終的には患者さんと医師がよく話し合って決めます」と 山口医師は言う。

同院消化器センターでは、患者の体の負担を一番に考え、早くて出血の少ない治療を心がけている。そのひとつが「完全鏡視下手術」である。一般の腹腔鏡手術ではお腹に数カ所、1~2センチの孔を開けるが、胃がん手術の場合、胃がんを取り出したり残った胃をつなぐために、追加して5cm程度の傷を必要とすることも多い。また、なるべく機能を温存するため、残せる部分は極力残す「機能温存手術」を心がけている。内視鏡やCT検査に加え、特殊な光で観察するNBI内視鏡や超音波内視鏡検査などの検査を行い、治療前の検査をより正確にするとともに、手術中にリンパ節などの転移を確認する術中迅速診断を積極的に行い病気の範囲を正確に把握するようにしている。胃の出口(幽門)や神経を残した胃切除術や、内視鏡と手術中に協力してできるだけ少ない範囲の胃を切除する、新しい治療法(LECS法)を開発し実行している。
もし、胃がんと診断されたら、その後の治療内容を把握するためにも自分がどのあたりのステージかを良く理解しておくことが必要だ。
「どの治療を選ぶにしても、自分が胃がんの中で今どのステージにいて、どういう治療が必要か十分に納得しておくことが大切です。そのためには、本人への告知は必要だと考えます。まず本人がきちんと理解していなければ、治療が辛い時、頑張れないからです」(山口医師)

消化器外科では、週2回手術前の全症例カンファレンス(会議)が開かれ、胃・大腸のグループだけでなく、肝臓・胆のう・すい臓のグループも出席し、いろんな選択肢を提示して、患者の体力、年齢、社会的なバックグラウンドを踏まえた上でいちばん最適な治療法を検討している。
例えば「胃がんの手術中でも、すい臓グループに待機してもらいのう胞を超音波で診てもらって、悪性を疑う病変があったら、その場でとってもらいます。また、大腸がんの手術中に胃の病変が見つかった場合は、胃がんのグループが待機しています」(山口医師)
同センターの特徴である「チーム医療」である。「がん研におけるチーム医療は、プロの専門家を一カ所に集め、お腹の"がん"の人はみんな消化器センターに来れば、外科医も内科医も、化学療法医もみんなで協力して診療にあたっています」(山口医師)

医師プロフィール

1973年 京都府立医科大学 卒業
1977年 秋田大学医学部 文部教官助手
1982年 米国テキサス大学ヒューストン校留学(NIH奨励研究員)
1995年 京都府立医科大学 助教授(第一外科)
2001年 財団法人 癌研究会附属病院 消化器外科部長
2005年 財団法人 癌研究会有明病院 消化器外科部長 消化器センター長
2008年 財団法人 癌研究会有明病院 副院長
2011年 公益財団法人 がん研究会有明病院 副院長 消化器センター長
2015年7月 公益財団法人 がん研究会有明病院 病院長