小野裕之 医師 (おのひろゆき)

静岡県立静岡がんセンター

静岡県駿東郡長泉町下長窪1007

  • 内視鏡科部長
  • 副院長

内科 消化器科 がん

専門

食道・胃(早期胃がんや食道表在がんのESD治療など)

小野裕之

2002年「21世紀型がんセンター」モデルとしてスタートした静岡県立静岡がんセンターの内視鏡科部長を務める小野裕之医師は、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離)治療の先駆者のひとりで、国立がんセンター(現:国立がん研究センター)中央病院勤務時代からITナイフの開発・臨床応用に携わってきた。先端の丸い玉で胃壁に穴があくのを防ぎ金属部分に電流を流しがんを切除するITナイフを自由自在に扱える凄腕のドクターである。お腹を切らずに胃がんを治すなら小野医師と日本全国から患者が後を絶たない。
早期胃がんや食道表在がんのESD治療では3,000例を超える執刀数を誇り、国内だけでなく世界中に手法を普及させた。

診療内容

早期の胃がん(腫瘍の深さが粘膜までの分化型がんで潰瘍がないもの)であれば、おなかを切らずに内視鏡で治療ができる。日本胃癌学会が定めた“胃癌治療ガイドライン”では、内視鏡で治療ができる腫瘍の大きさは2㎝以下と定められているが、現在2㎝より大きくても深さが粘膜内にとどまっていれば電気メスでがんがある部分を切開できる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という治療法がある。
ESDのメリットは、胃を残せることである。術後3日目でお粥が食べられるようになり5日後には普通に食事ができ4泊5日で退院できる。開腹手術で胃を切り取った場合は、最低2週間程度の入院となり、食事は1日に何回にも小分けにして少量ずつ食べる。食後は動悸・めまい・冷や汗などが生じるダンピング症候群という後遺症が起こることもある。さらに治療費の自己負担額もESDは開腹手術に比べて半額以下の5~6万円程で済む。2006年、保険が適用となり術後の胃の変形が最小限ですむことなどから導入する施設が増えており、現在では、内視鏡治療の約80%をESDが占めるようになった。
現在、胃がんのESDは手技も確立し、食道・大腸のESDも難易度の高い病変でなければ専門施設以外でも治療を受けることが可能である。壁の薄い十二指腸のESDを確実に安全に行う方法はまだ確立されていないが、手技の工夫がすすんでいる。

ESDは非常に難易度が高く技術の習得が容易ではない。内視鏡検査の操作ができるだけではITナイフを使いこなすことは難しく、小野医師のように自由自在に扱えるようになるには相当数の症例実績を重ねる必要がある。または、実績のあるプロフェッショナル医師のもとで技術を習得するかである。
患者が治療を希望する場合、技術力がありたくさんの症例数実績のある医師・病院のバックアップ体制が充実しているなどを要確認して決めると良い。

医師プロフィール

1962年 北海道生まれ
1987年 札幌医科大学医学部卒業、同大附属病院第四内科に入局
1991年 国立がんセンター中央病院研修医、レジデントおよびチーフレジデントを経て、97年より同病院内視鏡部医員
2002年 静岡県立静岡がんセンター内視鏡科部長
2012年 同センター副院長兼内視鏡科部長