血糖(ぶどう糖・グルコース) 家庭の医学

■糖尿病で増加
 現在、血糖は病院だけでなく、薬局やご自宅でも測定できるようになってきましたが、そのような検査で異常が認められた場合は病院検査室で採血検査を受けることをお勧めします。
 糖尿病は膵(すい)臓から分泌されるインスリンの量が減少するか、インスリンへの反応性が低下することで、血液中のぶどう糖(血糖)が増加し、動脈硬化や腎機能低下、網膜症や神経障害を起こす病気です。
 早朝空腹時の血糖値(静脈血漿〈けっしょう〉)が126mg/dL以上か、任意の時刻に採血した血糖値が200mg/dLを超える場合には糖尿病と診断されます。
 正確に診断するためには経口ぶどう糖負荷試験をおこないます。75gのぶどう糖入りジュースを飲み、飲用前、(30分後、1時間後)、2時間後の血糖や尿糖、インスリンを測定し、2時間後の血糖値が200mg/dL以上を糖尿病型、140mg/dL未満を正常、その間を境界型と判定します。
 いっぽう、血糖値が60mg/dL以下の場合は低血糖で、極端に低下すると冷や汗、イライラ、意識障害を起こします。膵臓のインスリン産生腫瘍(インスリノーマ)や副腎機能低下(アジソン病)などでみられます。

■基準値:空腹時 73~109mg/dL

■検査結果から疑われる病気
 高値の場合には、次のことが考えられます。
 糖尿病慢性膵炎肝硬変心筋梗塞先端巨大症、クッシング症候群(副腎コルチゾール産生腫瘍参照)、ステロイド治療など
 低値の場合には、次のことが考えられます。
 医原性(インスリン、血糖降下薬の過剰投与)、インスリノーマ下垂体前葉機能低下症アジソン病など

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)

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