蚕食性角膜潰瘍(モーレン潰瘍)〔さんしょくせいかくまくかいよう(もーれんかいよう)〕 家庭の医学

 角膜潰瘍は角膜の周辺に起こり、周辺部に進行していきます。
 はっきりとした原因は不明で、目に強い痛みを伴うことがあります。
 自然治癒してしまうこともありますが、多くは難治性です。
 進行して角膜穿孔(せんこう)にいたった場合は手術をして病変部の切除をおこない、そこに保存角膜の移植や結膜被覆をおこなうことがあります。

■アイバンク
 角膜移植のために、亡くなった方やそのご家族の尊い意思により角膜を提供(献眼)していただくお手伝いをする組織がアイバンクです。厚生労働大臣の許可に基づきすべての都道府県に設置され全国に約50カ所あります。わが国では、1958年に「角膜の移植に関する法律」が施行され、その後「臓器の移植に関する法律」となり運用されています。
 近年では角膜移植を必要とする待機患者さんは全国で約3000人います。2021年の内閣府の調査では、家族が臓器提供の意思を表示していた場合「尊重する」とする人の割合が90.9%(「尊重する」44.3%+「たぶん尊重する」46.6%)と高く、生前の元気なときに臓器提供や献眼について話し合っていただくことが重要と思われます。
 アイバンクや献眼登録については、大学病院の眼科や公益財団法人日本アイバンク協会にお問い合わせください。

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