むくみ(浮腫)

 心臓病で心臓のポンプ機能が低下すると、腎臓への血流が減少して尿量が少なくなり、水分が血管内にたまります。このため手足など末梢静脈の内圧が高まって血管内の水分が外の組織にしみ出します。これが“むくみ(浮腫)”の起こるしくみです。心臓の病気がある程度進んだときの症状の一つですが、そのほかに腎臓病や肝臓病、脚気(かっけ)や栄養失調、また結核やがんの末期にもみられます。まれに薬の副作用で起こることもあります。特に原因のわからないくり返すむくみもあります。
 腎臓病によるむくみはまず顔にあらわれることが多く、まぶたがはれぼったくなりますが、心臓病のむくみの多くは足のほうからきます。しかし、心臓と腎臓の重い病気は症状がいっしょに起こり、また心臓病によるむくみでもはじめに顔や手にくることがあります。長く臥床(がしょう)している人では、背なかや腹からむくむこともあります。したがってむくみのくる部位だけで、病気を決めることはできません。
 心臓の病気によるむくみは、よくひざから下に出ます。指で数秒押すと指のあとがつきます。特に夕方になると目立ちますが、朝にはひいています。病気が進んでくると常にむくみがあるようになり、大腿部(ふともも)の内側から腹部、陰嚢(いんのう)、側胸部にも及びます。さらにひどくなると、腹部や胸の中にまで水がたまります(腹水、胸水)。
 心臓病でむくみがみられる場合は、はじめから呼吸困難を伴うことが多いものです。運動時の呼吸困難と足のむくみがあれば、まず心臓病を疑って早く専門医を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

■長時間の座位による足のむくみ
 加齢とともに皮膚の弾力性は徐々に低下します。このため手足などの静脈では、わずかな内圧の高まりでも血管内の水分が血管の壁をとおして外の組織にしみ出して、むくみ(浮腫)が起こりやすくなります。特に長時間にわたり足を動かさず椅子やソファに座っている人は、ひざから下の静脈に血液がたまって内圧が高くなるため、心臓病などのはっきりした病気がなくても、容易に足のむくみが起こります。
 予防は長時間の座位を避けること、座っているときでも両足のかかとを上げ下げするなどして足の筋肉をときどき動かすことです。足の筋肉は「第2の心臓」ともいわれ、静脈血を足から心臓に戻すために重要な役割をはたしています。また、医療用の弾性ストッキングの着用も予防効果がありますので、特に足の静脈瘤(下肢静脈瘤)を合併している人などは、専門医に相談することをおすすめします。(→静脈瘤#0909-71)