乳幼児に起こりやすい網膜原発の悪性腫瘍です。母親が赤ちゃんに授乳するときに、子どもの瞳孔(どうこう)が白い(白色瞳孔)か瞳孔が光る(ねこ目)ことで発見されることが多い病気です。
特定の遺伝子(Rb遺伝子)が発症に関与しています。全身の細胞にこの遺伝子がある場合は原因遺伝子がその子どもにも引き継がれる可能性がありますが、網膜細胞だけの遺伝子異常により腫瘍が発生した場合は必ず片眼性で、遺伝することはありません。
[症状]
生来視力がわるいために斜視になっていたり、続発
緑内障、併発
白内障や
虹彩毛様体炎で眼科を訪れ、発見されることもあります。放置すると眼窩(がんか)内へ腫瘍が進み、眼球突出や眼瞼(がんけん)浮腫を起こすこともあります。
この病気は1万5000人から3万人の出生に1人の割合で発生します。20~35%が両眼性で、出産後まもなく発見される場合から、多くは1歳半から2歳で見つかります。
[治療]
腫瘍の大きさによりますが、片眼性の場合で腫瘍が大きいときは、眼球摘出をおこないます。小さい場合は、保存療法(レーザーによる光凝固、冷凍凝固や放射線治療、化学療法、温熱化学療法など)がおこなわれます。
両眼性の場合、腫瘍の大きさにもよりますが、腫瘍が大きければ、両眼摘出をおこなわなければならないこともあります。
医師を探す
- 診療科
-