ホルクマン拘縮〔ほるくまんこうしゅく〕

 筋膜でかこまれた筋の区画のなかの圧力が急激に上昇し、循環障害から最後は筋壊死(えし)に至る状態を筋区画症候群と呼びます。ホルクマン拘縮はこの筋区画症候群が前腕部に生じたもので、前腕以下の筋、神経が虚血壊死におちいり高度の手の変形、拘縮を生じる病態です。
 上腕骨顆上(かじょう)骨折などの骨折、軟部組織損傷、動脈損傷、上肢圧迫、やけどなどで生じます。前腕の筋内の圧力が上昇し、前腕の強い疼痛(とうつう)、腫脹、循環障害、まひなどの症状が多くは受傷から数時間~十数時間以内に出現します。急性期で内圧が30mmHg以上となった場合は、上腕遠位から手のひらまで筋膜切開をおこない圧力を減少させる手術を緊急におこないます。

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