変形性肘関節症〔へんけいせいひじかんせつしょう〕 家庭の医学

 肘関節の外傷後やスポーツなどによる過度の使用により生じる疾患です。特に力仕事などで長期間関節に負荷がかかると生じます。
 ひじ関節に運動時の痛みがあり、関節の可動域が徐々に制限され、ひじが曲がりにくくなる、あるいは伸びにくくなるといった症状が出ます。関節部分を押すと痛みがあり、関節に腫脹がみられます。X線検査では関節のすきまが狭くなり、周囲に骨のとげ(骨棘〈こつきょく〉)が形成され、関節の骨が硬化して白く見えるなどの関節症による変化がみられます。
 治療は症状が軽ければ、ひじの負担をなるべく減らすこと、サポーターの使用、消炎鎮痛薬の投与などで改善がみられます。拘縮(こうしゅく:関節が伸びなくなったり、完全に曲がらなくこと)や疼痛(とうつう)が強く、日常生活動作が障害されていれば、骨棘の切除などの関節授動術(関節の動く範囲をひろげる手術)あるいは関節形成術、もしくは人工関節置換術をおこないます。
 ひじの内側を走行している尺骨(しゃっこつ)神経が、骨棘などにより圧迫を受け、さらに肘部管(ちゅうぶかん)症候群を生じることがあります。

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