医療機器によるおもな検査 家庭の医学

解説
 現代の医療は検査なしには成立しない、といってもいいすぎではありません。医師は、診察をもとに必要な検査をおこない、結果を適切に解釈することで、正しい診断を得て治療方針を決定します。治療も、期待した効果が得られているか、副作用がないかを検査で確かめながらおこない、病気が治ったかどうかも検査で確認します。症状のごく軽いありふれた病気を除けば、一連の診療中には何かしらの検査がおこなわれるのが普通です。
 診療に用いられる検査にはいろいろな種類があります。これらは、身体から取り出した成分(検体)を調べる検査と、身体のなかを直接調べる検査の2種類に大きく分けられます。身体の成分を調べる検査の代表は血液検査で、非常に多くの種類があります。また身体のなかを直接調べる検査としては、体内の構造を画像に映して調べる画像検査や、臓器の動きやはたらきをさまざまな方法で測定して評価する生理機能検査が代表的です。これらはそれぞれ専用の検査機器を使っておこなわれますが、画像検査のなかには、検査中に検体の採取や治療処置が追加できるものもあります。
 常に改良が加えられ、また新しい手法が開発されることで、検査は日々進化を続けています。より少ない肉体的負担で、より多くの正確な情報が得られる検査や、治療と直結し治療を前提におこなわれる検査は、今後もふえていくものと思われ、医療における検査の重要性はますます大きなものになると考えられます。

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)