流行が続く咽頭結膜熱(プール熱)の患者報告数が10道府県で警報レベルの基準に達していることが11日までに、国立感染症研究所の調査で分かった。自治体などは手洗いの徹底やタオルを共有しないことなどを呼び掛けている。
 プール熱はアデノウイルスが原因の感染症で、子どもがよくかかる。飛沫(ひまつ)や接触などでうつり、潜伏期間は5~7日。発熱や咽頭痛、結膜炎などの症状が多く、ほとんどは自然に治るが、まれに重症化する。
 流行は夏にピークを迎えることが多いが、一年を通じて感染する恐れがある。感染研によると、全国約3000の小児科定点医療機関から先月29日までの1週間に報告された患者数は7635人。1機関当たり2.43人に上り、過去10年で最多の状態が9月上旬から継続している。
 都道府県別に見ると、最多は福岡(6.94人)で、沖縄(5.81人)、佐賀(5.22人)が続く。3県を含めた10道府県で警報レベルの基準値となる「3人」に達しており、患者数は特に関西地方や九州・沖縄で多い。
 感染研はホームページで、プール熱が子どもの集団生活の中で拡大しやすいとして、保育施設での手洗いやおもちゃの消毒のほか、タオルを共有しないことなどが大切と指摘。福岡県は吐き気強い頭痛、激しいせきがある場合は早めに医療機関を受診するよう訴えている。 (C)時事通信社