治療・予防

コロナ感染後に腹痛や発疹
~子ども特有の新しい病気かも(浜松医科大学医学部付属病院小児科 宮入烈教授)~

 新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)した子どもの少数で小児多系統炎症性症候群(MIS―C)という新しい病気が報告されている。医師向けの診療マニュアルをまとめた浜松医科大学医学部付属病院(浜松市)小児科の宮入烈教授は「子どもの感染拡大に伴い増える可能性があり、注意が必要です」と話す。

発症まで一定期間を要する

 ▽2~6週で発症

 MIS―Cは患者数はまだわずかだが、発熱に加え腹痛や下痢、発疹、結膜炎、手足の腫れといった症状が表れ、国内外で診断、治療法の検討が進められている。米国ではこれまでに4600件以上が報告され、欧州やインドなどでも発生しているとされる。

 国内では正確な統計が存在しないが、10件程度発生したと考えられている。新型コロナの感染から2~6週後に腹痛や下痢などの消化器症状が表れ、特徴的な症状が続く。一部の症状が川崎病と似ているが、宮入教授は「医学的な境界線については結論が出ていません」と説明する。

 新型コロナの感染からMIS―Cは発症までに一定の時間を要するため、症状が表れた時にはPCR検査は陰性となる場合が多い。そのため、診断では血液検査やエコー、心電図といった画像検査に加え、抗体検査で感染の有無を調べる必要がある。

 ▽気になれば相談を

 治療は、川崎病にも用いられる免疫グロブリン製剤の静脈注射が中心で、効果が不十分なら副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドを併用する他、生物学的製剤を使用することもある。ただし、患者数の少なさから大規模な臨床試験の実施が難しく、治療法は確立していないのが現状だ。

 新型コロナの全国的な流行拡大により、今後、子どもの感染者数が増える可能性がある。国内では12歳未満の子どもはワクチン接種が始まっておらず、不安に感じる保護者も多い。

 宮入教授は「感染症の流行下では、大人が子どもを守ることが大前提。子どもが新型コロナウイルスに感染し、1カ月程度で発熱、下痢といった症状が見られたら、かかりつけの小児科医に相談してください」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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