小林製薬の小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)が辞任することが22日、分かった。「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントを巡る健康被害問題で、創業家のトップが責任を取る。後任の社長には、山根聡専務(64)が就く見通しだ。23日にも取締役会で正式決定する。
 小林製薬で創業家以外から社長に就任するのは初めて。章浩社長は2013年から務めてきた。
 小林製薬は4月に社外弁護士による検証委員会を設置。被害報告から公表までに時間がかかったことや品質管理体制などについて点検をしてきた。同社は検証委の報告や、それを受けた再発防止策などを近く公表する。
 同社の対応では、今年1月に被害が報告されてから3月の公表まで約2カ月かかるなど遅れが目立つ。
 また、サプリ摂取との関連が疑われる死者についても、3月末の発表以降5人としてきたが、6月末に新たに76人判明したと発表。その間、厚生労働省に報告していなかったことも問題視されている。厚労省が死亡との因果関係を調査中の死者は90人を超え、大きな社会問題となっている。 (C)時事通信社