海外で使われている薬が日本で実用化されていない「ドラッグ・ロス」の問題を解消するため、政府は30日、首相官邸で開いた産学官の関係者を集めた「創薬エコシステムサミット」で、今後の政策目標と工程表を示した。2026年度までに、必要性が高い国内未承認薬の臨床試験に着手するほか、28年までに創薬を担うスタートアップ(新興企業)を10社以上誕生させることなどが柱。
 岸田文雄首相はサミットで、「医薬品産業はわが国の科学技術力を生かせる重要な成長産業だ。強力に施策を推進したい」と述べた。
 厚生労働省によると、欧米で承認され日本では未承認となっている医薬品は143品目(昨年3月時点)あり、うち86品目は日本での承認申請に向けた国内での臨床試験が始まっていない。政府は必要性が高い薬について、26年度までに臨床試験に着手する目標を掲げた。 (C)時事通信社