マイナビ看護師、「看護師白書2023年度版」を発表
マイナビ
76.1%の看護師が “サービス残業・早出が「発生している」” 。半数以上の看護師に「医師の働き方改革」の影響あり。医師の夜間対応や長時間労働の制限を実感する看護師が多数
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が運営する看護人材紹介サービス『マイナビ看護師』は、登録会員(看護師2,608名)を対象とした、「看護師白書2023年度版」の結果を発表しました。
<TOPICS>
サービス残業・早出が「発生している」と回答した看護師は76.1%で前年比8.1ptの増加。残業の主な業務は「看護記録」で57.7%と最多【図1、2】
「医師の働き方改革」による看護師への影響について、52.9%が「影響がある」と回答。医師の夜間や長時間労働の制限を実感する看護師が多数【図3、4】
約8割がこれまでの職場でハラスメントを「受けたことがある」または「見たことがある」と回答。ハラスメントを受けたのは「上司から」が最多で69.9%【図5、6、7】
【調査概要】
◆サービス残業・早出が「発生している」と回答した看護師は76.1%で前年比8.1ptの増加
残業の主な業務は「看護記録」で57.7%と最多
看護師に、賃金の支払われない時間外労働(サービス残業・早出)は月にどの程度あるか聞いたところ、「5時間未満」が37.5%で最多となった。さらに「5~10時間未満(19.4%)」、「10~20時間未満(12.3%)」と続き、全体で76.1%(前年比+8.1pt)がサービス残業・早出が発生していることがわかった。
時間外労働の主な業務は、「看護記録※」が57.7%で最多となり、次いで「患者対応・診療補助(56.1%)」、「患者情報収集・申し送り(34.0%)」と、患者と直接関わる看護業務以外の理由でも時間外労働が多く発生する傾向であることがうかがえる。【図1、2】
※看護師が現場で実践した一連の看護過程を記録したもの
【図1】
【図2】
◆「医師の働き方改革」による看護師への影響について、52.9%が「影響がある」と回答
医師の夜間や長時間労働の制限を実感する看護師が多数
「医師の働き方改革」による看護師への影響について聞くと、52.9%が「影響がある」と回答。具体的にどんな影響があるか聞くと、「勤務時間外での医師への連絡を控える」や「タスクシフト※1によって医師から看護師へ一部の業務が移行されるようになった」、「当直回数の見直し」などが多くあがった。医師の働き方改革によって、特定行為研修※2を終えた看護師や診療看護師の活用が積極的になり、これまで医師が行っていた業務の一部を看護師が担うというケースが増えていることがうかがえる。【図3、4】
※1 タスクシフト: 看護師や薬剤師などの他職種に医師の業務の一部を任せる業務移管のこと
※2 特定行為研修:特定行為研修を受けた看護師は、医師の指示・判断を待たずに、医師が事前に作成していた手順書に沿って個人の判断で特定行為を行うことが可能
※3 診療看護師:医師と連携し、一定レベルの診療(特定行為)を行うことができる資格のこと
【図3】
【図4】
◆約8割がこれまでの職場でハラスメントを「受けたことがある」または「見たことがある」と回答
ハラスメントを受けたのは「上司から」が最多で69.9%
厚生労働省の調査※では、職種を問わず直近3年間の職場でハラスメントを受けた経験は「パワハラ(19.3%)」が最多、「セクハラ」は6.3%だった。
看護師に職場でのハラスメントの状況について聞くと、「受けたことがある」が62.2%、「他の職員が受けているのを見たことがある」が17.0%となり、全体で79.2%の看護師が職場でのハラスメントを認識している結果となった。ハラスメントを行っているのは「上司」(69.9%)が最多で、次いで「先輩」(41.0%)となり、その内容を自由回答で聞くと「挨拶なしや無視、分かるように悪口を言われる」や、「有給をあなただけ取得させるわけにはいかないと暗に言われる」など、職場での立場を利用したパワハラや、「つわりは病気じゃないのだから、いちいちそんなことで休んでたら仕方がないと言われる」など、女性の妊娠・出産・育児に対する「マタハラ」が多くあがった。
また、「患者・入居者・利用者」からのハラスメントも32.3%で、具体的には「かわいいねと言われて触られる」、「暴力行為を受けた」など、患者からのセクハラ・ペイハラ(ペイシェント・ハラスメント)に悩む看護師も一定数いることが分かった。【図5、6、7】
※「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256079.pdf)
【図5】
【図6】
【図7】
【総評】
本調査で、看護師の労働環境の実態が明らかになりました。前年の調査※では、時間外労働「なし」と回答した看護師が3年連続増加となりましたが、本格的に始まった医師の働き方改革による医師業務軽減の為のタスク・シフトシェア促進等も起因し、看護師への時間外労働増加の影響が出始めていることが今回の調査から読み取れます。また、職場でのハラスメント実態については約8割の看護師が「受けたことがある・もしくは見たことがある」と回答しています。ハラスメントをしている該当者は上司、先輩、ドクターが回答の中心ではありましたが、患者、利用者も3割を超え、医療従事者への“ペイハラ”が深刻化している状況となります。
環境変化が激しい昨今ではありますが、医療機関が時代の変化に柔軟に適応していく力が求められています。タスク・シフトシェアが進んだ先の医師だけでなく、看護師の業務見直しによる時間外労働削減、ならびに超高齢者社会を支える医療従事者が働き易い環境作りが必要です。各医療機関が固定概念を良い意味で捨て、看護師がより重要度の高い業務に集中できる環境作りに取り組めるよう期待したいと思います。
※「看護師白書2022年度版」(https://www.mynavi.jp/news/2023/06/post_39132.html)
『マイナビ看護師』 事業責任者 医療・福祉エージェント事業本部 統括部長 河野 義明
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【調査概要】マイナビ看護師「看護師白書2023」
○調査期間/2024年1月25日(木)~4月17日(水)
○調査方法/インターネット調査
○調査対象/看護人材紹介サービス『マイナビ看護師』登録会員
○調査機関/自社調査
○有効回答数/2,608名
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
※調査結果の詳細はこちら(https://medical-saponet.mynavi.jp/news/industry/detail_kangoshi-hakusyo2023/)からご確認いただけます。
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76.1%の看護師が “サービス残業・早出が「発生している」” 。半数以上の看護師に「医師の働き方改革」の影響あり。医師の夜間対応や長時間労働の制限を実感する看護師が多数
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が運営する看護人材紹介サービス『マイナビ看護師』は、登録会員(看護師2,608名)を対象とした、「看護師白書2023年度版」の結果を発表しました。
<TOPICS>
サービス残業・早出が「発生している」と回答した看護師は76.1%で前年比8.1ptの増加。残業の主な業務は「看護記録」で57.7%と最多【図1、2】
「医師の働き方改革」による看護師への影響について、52.9%が「影響がある」と回答。医師の夜間や長時間労働の制限を実感する看護師が多数【図3、4】
約8割がこれまでの職場でハラスメントを「受けたことがある」または「見たことがある」と回答。ハラスメントを受けたのは「上司から」が最多で69.9%【図5、6、7】
【調査概要】
◆サービス残業・早出が「発生している」と回答した看護師は76.1%で前年比8.1ptの増加
残業の主な業務は「看護記録」で57.7%と最多
看護師に、賃金の支払われない時間外労働(サービス残業・早出)は月にどの程度あるか聞いたところ、「5時間未満」が37.5%で最多となった。さらに「5~10時間未満(19.4%)」、「10~20時間未満(12.3%)」と続き、全体で76.1%(前年比+8.1pt)がサービス残業・早出が発生していることがわかった。
時間外労働の主な業務は、「看護記録※」が57.7%で最多となり、次いで「患者対応・診療補助(56.1%)」、「患者情報収集・申し送り(34.0%)」と、患者と直接関わる看護業務以外の理由でも時間外労働が多く発生する傾向であることがうかがえる。【図1、2】
※看護師が現場で実践した一連の看護過程を記録したもの
【図1】
【図2】
◆「医師の働き方改革」による看護師への影響について、52.9%が「影響がある」と回答
医師の夜間や長時間労働の制限を実感する看護師が多数
「医師の働き方改革」による看護師への影響について聞くと、52.9%が「影響がある」と回答。具体的にどんな影響があるか聞くと、「勤務時間外での医師への連絡を控える」や「タスクシフト※1によって医師から看護師へ一部の業務が移行されるようになった」、「当直回数の見直し」などが多くあがった。医師の働き方改革によって、特定行為研修※2を終えた看護師や診療看護師の活用が積極的になり、これまで医師が行っていた業務の一部を看護師が担うというケースが増えていることがうかがえる。【図3、4】
※1 タスクシフト: 看護師や薬剤師などの他職種に医師の業務の一部を任せる業務移管のこと
※2 特定行為研修:特定行為研修を受けた看護師は、医師の指示・判断を待たずに、医師が事前に作成していた手順書に沿って個人の判断で特定行為を行うことが可能
※3 診療看護師:医師と連携し、一定レベルの診療(特定行為)を行うことができる資格のこと
【図3】
【図4】
◆約8割がこれまでの職場でハラスメントを「受けたことがある」または「見たことがある」と回答
ハラスメントを受けたのは「上司から」が最多で69.9%
厚生労働省の調査※では、職種を問わず直近3年間の職場でハラスメントを受けた経験は「パワハラ(19.3%)」が最多、「セクハラ」は6.3%だった。
看護師に職場でのハラスメントの状況について聞くと、「受けたことがある」が62.2%、「他の職員が受けているのを見たことがある」が17.0%となり、全体で79.2%の看護師が職場でのハラスメントを認識している結果となった。ハラスメントを行っているのは「上司」(69.9%)が最多で、次いで「先輩」(41.0%)となり、その内容を自由回答で聞くと「挨拶なしや無視、分かるように悪口を言われる」や、「有給をあなただけ取得させるわけにはいかないと暗に言われる」など、職場での立場を利用したパワハラや、「つわりは病気じゃないのだから、いちいちそんなことで休んでたら仕方がないと言われる」など、女性の妊娠・出産・育児に対する「マタハラ」が多くあがった。
また、「患者・入居者・利用者」からのハラスメントも32.3%で、具体的には「かわいいねと言われて触られる」、「暴力行為を受けた」など、患者からのセクハラ・ペイハラ(ペイシェント・ハラスメント)に悩む看護師も一定数いることが分かった。【図5、6、7】
※「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256079.pdf)
【図5】
【図6】
【図7】
【総評】
本調査で、看護師の労働環境の実態が明らかになりました。前年の調査※では、時間外労働「なし」と回答した看護師が3年連続増加となりましたが、本格的に始まった医師の働き方改革による医師業務軽減の為のタスク・シフトシェア促進等も起因し、看護師への時間外労働増加の影響が出始めていることが今回の調査から読み取れます。また、職場でのハラスメント実態については約8割の看護師が「受けたことがある・もしくは見たことがある」と回答しています。ハラスメントをしている該当者は上司、先輩、ドクターが回答の中心ではありましたが、患者、利用者も3割を超え、医療従事者への“ペイハラ”が深刻化している状況となります。
環境変化が激しい昨今ではありますが、医療機関が時代の変化に柔軟に適応していく力が求められています。タスク・シフトシェアが進んだ先の医師だけでなく、看護師の業務見直しによる時間外労働削減、ならびに超高齢者社会を支える医療従事者が働き易い環境作りが必要です。各医療機関が固定概念を良い意味で捨て、看護師がより重要度の高い業務に集中できる環境作りに取り組めるよう期待したいと思います。
※「看護師白書2022年度版」(https://www.mynavi.jp/news/2023/06/post_39132.html)
『マイナビ看護師』 事業責任者 医療・福祉エージェント事業本部 統括部長 河野 義明
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【調査概要】マイナビ看護師「看護師白書2023」
○調査期間/2024年1月25日(木)~4月17日(水)
○調査方法/インターネット調査
○調査対象/看護人材紹介サービス『マイナビ看護師』登録会員
○調査機関/自社調査
○有効回答数/2,608名
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
※調査結果の詳細はこちら(https://medical-saponet.mynavi.jp/news/industry/detail_kangoshi-hakusyo2023/)からご確認いただけます。
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(2024/07/08 13:00)
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