【警報レベルで流行中】手足口病の患者動向をビッグデータから解析
日本システム技術株式会社
当社は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、手足口病について独自調査を実施しました。
手足口病は、その名が示す通り、口腔粘膜及び手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。主に幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患で、例年7月下旬ごろが流行のピークとなっています。
2024年7月現在、メディアでは手足口病についての報道が連日行われており、保育施設や幼稚園などでは学級閉鎖も発生しています。
本レポートでは、データという視点から手足口病をさらに深く理解することを目指し、当社のメディカルビッグデータを用いて患者動向を分析いたしました。
【集計条件】
調査対象:当社の保有するレセプトデータ(約900万人 2024年7月時点)の内、2019年1月~2023年12月診療、ICD-10「B084 手足口病」
1.年別患者数の推移
初めに手足口病の年間の患者数推移を調査しました。以下は2019年から2023年までの年別の患者数を算出したグラフです。
2020年に患者数が大幅に減少していることがわかります。この年は新型コロナウイルス感染症の流行により、いわゆる「コロナ禍」に突入しました。手足口病は飛沫感染や接触感染によって広がるため、マスクの着用や手洗い・うがいの徹底が手足口病の感染防止に対して一定の効果があったと考えられます。
一方で、2019年と2020年の全患者数及び全レセプト件数を比較すると、全患者数は昨対比98.9%、レセプト件数は昨対比91.9%となっており、患者数に比べてレセプト件数の減少傾向が強いことがわかりました。これは、一人当たりの受診回数が減少したことを示しています。この要因として、コロナ禍による医療機関の受診控えが影響していると考えられます。これは、手足口病患者の大幅な減少にも関連している可能性があります。
なお、国立感染症研究所の公開している定点当たり報告数(週)データを確認すると、今年の患者数推移は2014年以降で最も多かった2019年と似た推移を辿っており、今年は大規模な流行が起こると推察されます。
国立感染研究所 手足口病 過去10年との比較グラフ
(参考資料:https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1649-06hfmd.html)
2.「手足口病」を含む子どもの三大夏風邪の月別患者数推移
手足口病以外にも、夏に流行する感染症はいくつか存在します。以下は、コロナ禍以降で最も患者数の多かった2022年にフォーカスし、それらの感染症と手足口病の月別患者数を比較したものです。
手足口病は、「ヘルパンギーナ」や、通称プール熱と言われる「咽頭結膜熱」とともに、子どもの三大夏風邪と呼ばれています。これらの患者数推移を見てみると、やはり7月から9月にかけての夏季に患者数が増加していることが確認できます。中でも手足口病の患者数は他の2つの傷病と比較して顕著に多いことがわかります。
3.年代別患者数
ここまで時系列で患者数の推移を追ってきましたが、ここでは年代別の患者数を見ていきます。以下は2022年における年代別患者数です。
前述の通り、手足口病は幼児によく見られる疾患であり、9歳以下の患者数が大多数を占めています。また、他の年代を比較してみると、30代の患者数が比較的多いことがわかります。手足口病は子どもだけがかかる病気ではありません。30代の患者数が多いのは、患者層のメインである9歳以下の子どもを持つ親の年齢層が多いためと考えられます。家庭内での感染対策も非常に重要です。
今回はレセプトデータを用いて、手足口病の患者数を抽出し、その傾向を調査しました。その結果、2020年のコロナ禍に患者数が減少しましたが、近年では増加傾向にあり、特に2022年の増加が顕著であることが明らかになりました。手足口病の感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染が知られています。一般的な感染対策は、手洗いを徹底し、排泄物を適切に処理することです。日頃からのしっかりとした感染対策を心がけましょう。
■当社未来共創Labサイト内にも同様のレポートを掲載しております。以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/news-20240723/
■本件で利用したメディカルビッグデータ「REZULT」につきましては以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/rezult_data/
■未来共創Labについて
当社未来共創Labはメディカルビッグデータ「REZULT」活用や伴走型による新規商材開発を通し、他企業やアカデミア、自治体との連携を強め共創DXを推進している組織です。当社のデータと企業価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も取り組みを進めて参ります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。
【関連情報】(本レポートは下記情報を参考にして作成されています)
厚生労働省 手足口病に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html
国立感染症研究所 手足口病とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html
日本成人病予防協議会 子どもの三大夏風邪 ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱 ~感染症~
https://www.japa.org/tips/kkj_2006/
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
▼日本システム技術株式会社 企業情報
https://www.jast.jp/
以上
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当社は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、手足口病について独自調査を実施しました。
手足口病は、その名が示す通り、口腔粘膜及び手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。主に幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患で、例年7月下旬ごろが流行のピークとなっています。
2024年7月現在、メディアでは手足口病についての報道が連日行われており、保育施設や幼稚園などでは学級閉鎖も発生しています。
本レポートでは、データという視点から手足口病をさらに深く理解することを目指し、当社のメディカルビッグデータを用いて患者動向を分析いたしました。
【集計条件】
調査対象:当社の保有するレセプトデータ(約900万人 2024年7月時点)の内、2019年1月~2023年12月診療、ICD-10「B084 手足口病」
1.年別患者数の推移
初めに手足口病の年間の患者数推移を調査しました。以下は2019年から2023年までの年別の患者数を算出したグラフです。
2020年に患者数が大幅に減少していることがわかります。この年は新型コロナウイルス感染症の流行により、いわゆる「コロナ禍」に突入しました。手足口病は飛沫感染や接触感染によって広がるため、マスクの着用や手洗い・うがいの徹底が手足口病の感染防止に対して一定の効果があったと考えられます。
一方で、2019年と2020年の全患者数及び全レセプト件数を比較すると、全患者数は昨対比98.9%、レセプト件数は昨対比91.9%となっており、患者数に比べてレセプト件数の減少傾向が強いことがわかりました。これは、一人当たりの受診回数が減少したことを示しています。この要因として、コロナ禍による医療機関の受診控えが影響していると考えられます。これは、手足口病患者の大幅な減少にも関連している可能性があります。
なお、国立感染症研究所の公開している定点当たり報告数(週)データを確認すると、今年の患者数推移は2014年以降で最も多かった2019年と似た推移を辿っており、今年は大規模な流行が起こると推察されます。
国立感染研究所 手足口病 過去10年との比較グラフ
(参考資料:https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1649-06hfmd.html)
2.「手足口病」を含む子どもの三大夏風邪の月別患者数推移
手足口病以外にも、夏に流行する感染症はいくつか存在します。以下は、コロナ禍以降で最も患者数の多かった2022年にフォーカスし、それらの感染症と手足口病の月別患者数を比較したものです。
手足口病は、「ヘルパンギーナ」や、通称プール熱と言われる「咽頭結膜熱」とともに、子どもの三大夏風邪と呼ばれています。これらの患者数推移を見てみると、やはり7月から9月にかけての夏季に患者数が増加していることが確認できます。中でも手足口病の患者数は他の2つの傷病と比較して顕著に多いことがわかります。
3.年代別患者数
ここまで時系列で患者数の推移を追ってきましたが、ここでは年代別の患者数を見ていきます。以下は2022年における年代別患者数です。
前述の通り、手足口病は幼児によく見られる疾患であり、9歳以下の患者数が大多数を占めています。また、他の年代を比較してみると、30代の患者数が比較的多いことがわかります。手足口病は子どもだけがかかる病気ではありません。30代の患者数が多いのは、患者層のメインである9歳以下の子どもを持つ親の年齢層が多いためと考えられます。家庭内での感染対策も非常に重要です。
今回はレセプトデータを用いて、手足口病の患者数を抽出し、その傾向を調査しました。その結果、2020年のコロナ禍に患者数が減少しましたが、近年では増加傾向にあり、特に2022年の増加が顕著であることが明らかになりました。手足口病の感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染が知られています。一般的な感染対策は、手洗いを徹底し、排泄物を適切に処理することです。日頃からのしっかりとした感染対策を心がけましょう。
■当社未来共創Labサイト内にも同様のレポートを掲載しております。以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/news-20240723/
■本件で利用したメディカルビッグデータ「REZULT」につきましては以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/rezult_data/
■未来共創Labについて
当社未来共創Labはメディカルビッグデータ「REZULT」活用や伴走型による新規商材開発を通し、他企業やアカデミア、自治体との連携を強め共創DXを推進している組織です。当社のデータと企業価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も取り組みを進めて参ります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。
【関連情報】(本レポートは下記情報を参考にして作成されています)
厚生労働省 手足口病に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html
国立感染症研究所 手足口病とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html
日本成人病予防協議会 子どもの三大夏風邪 ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱 ~感染症~
https://www.japa.org/tips/kkj_2006/
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
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(2024/07/25 14:03)
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