制御不能な衝動、犯罪も =再発防止プログラムで改善―性依存症=
◇行動、思考変える訓練
同クリニックでは、日本で数少ない「性犯罪及び性依存症への再発防止プログラム(SAG)」を立ち上げ、(1)再発防止(2)薬物療法(3)性加害行為に責任を取る―の三つに重点を置き、社会生活を送りながらの治療を実施している。
専門家とともに、最も行動を起こしやすい状況を特定し、日常のストレスへの対処方法や、行動の習慣や思考パターンを変えていくための訓練を行い、場合によっては強迫的に起こる性的衝動を薬物により抑制していく。
加害の責任については、自分の言動を被害者が見たときどう感じるかを、常に自分の中でフィードバックする作業を繰り返す。「再犯しない日々を、毎日積み重ねていくことが重要です」
別に立ち上げた「性犯罪加害者家族支援グループ(SFG)」と連携し、家族がどのように感じているか、どんな日々を送っているかを、常に本人にフィードバックしている。齊藤次長は「再発の防止には治療が必要なこと、気が休まることがない加害者家族は被害者と似た側面があることもぜひ知ってください」と訴えている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/12/25 13:44)