治療・予防

うおのめにそっくり―ミルメシア
痛みで歩行に支障も

 いぼの中でも、主に足の裏や手のひらにできる「ミルメシア」は、見た目はうおのめによく似ている。皮膚の奥まで病変が進行すると強い痛みを生じることもある。「痛みにより歩きづらくなったり、鉛筆が持てなくなったりします」と大阪医科大学付属病院(大阪府高槻市)皮膚科の森脇真一教授は話す。

足の裏や手のひらにいぼ状のものを見つけたら早めに皮膚科へ

足の裏や手のひらにいぼ状のものを見つけたら早めに皮膚科へ

 ▽HPV―1感染が原因

 いぼの多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染して生じる。HPVには150以上の種類があり、ミルメシアはその中のHPV―1(ヒトパピローマウイルス1型)により発症する。HPV―1は皮膚に傷などがあるとそこから侵入する。皮膚の最外層である角質層からその下方にある表皮の層に達し、角化細胞に感染して増殖する。すると表皮が正常に形成されず、分厚くなって盛り上がり、ミルメシアとなる。

 ミルメシアの大きさは5ミリ~1センチ程度で、中央は火山の火口のようにへこんだ形をしている。通常は多発せず、1個のみ出現するのが特徴だ。

 森脇教授は「ミルメシアが大きくなると、神経が通っている真皮が圧迫されて痛みが生じるのです」と説明する。

 ▽凍結で細胞を除去

 治療は、マイナス196度の液体窒素を使う凍結療法により、HPV―1に感染している角化細胞を壊死(えし)させて取り除く。凍結療法は2週間ごとに行われ、いぼが小さければ数回で済むが、大きいと数カ月かかることがある。治療に合わせて、皮膚の新陳代謝を促す漢方薬のヨクイニンを服用する。凍結療法で改善が難しい場合は手術で摘出する。

 HPV―1は皮膚が健康な状態なら感染の心配はないが、乾燥してがさがさしていたり、アトピー性皮膚炎や傷などがあって皮膚の正常なバリアー機能が破壊されていたりすると感染しやすくなる。

 ミルメシアは、大きくなるまで痛みはないが、小さくても違和感はある。手足にしこりのようなものを見つけたら、早めに皮膚科を受診するのが望ましい。森脇教授は「足の裏や手のひらの清潔を保ち、小さな異常でも手当てをしましょう。乾燥しているようなら、夏でも保湿クリームを塗るなど、スキンケアを心掛けることがミルメシアの予防につながります」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)


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