3歳児健診で必ずチェックを
早期発見したい子どもの弱視
弱視は眼鏡による矯正でも視力が上がらない状態で、目の病気が原因の「器質性弱視」と原因が他にある「機能性弱視」に分けられる。このうち、子どもの機能性弱視には主に「不同視弱視」「斜視弱視」「屈折異常弱視」の3タイプがあり、治療の開始時期で視力の回復に差が出てくる。よだ眼科クリニック(東京都世田谷区)の依田初栄院長に話を聞いた。
◇日頃から様子を観察
新生児の視力はぼんやりとしている。1カ月を過ぎた頃から徐々に視力が発達し、両目で物を見る両眼視機能や、網膜で焦点を合わせる調節機能の発達が促されていく。ところが、遠視や乱視などの屈折異常が強いと、視力発達に伴う機能のバランスが崩れ弱視を招きやすくなる。
不同視弱視は、何らかのきっかけで片方の目だけで見ることに慣れ、もう片方の視力が育たなくなる状態。斜視弱視は左右の目の方向がずれ、二重に見えるのを避けようと片側の目だけを使うために反対側が弱視になる状態。屈折異常弱視は一番多く、焦点を合わせる機能が弱いために視力が出ない。ただ、眼球の構造には個人差があり「弱視は遺伝的な要素も大きい」と依田院長は話す。
いつも決まった側に頭を傾けて片方の目で見たり、片方の目をつぶったりしていないかなど、ささいなしぐさを見逃さないことが弱視に早く気付くポイントだという。依田院長は「お母さんが片方の目に手をかざしたとき、顔を背けたり不機嫌になったりする場合は、反対側の視力が低い可能性があります」と説明する。1~2歳だと片方の目を隠されると嫌がって泣くこともあるので、「日頃から遊びの中で根気よく慣らすといいでしょう」とアドバイスする。
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(2017/02/15 11:05)