治療・予防

感情否定せず共感を
子どもの怒り、向き合い方

 感情を抑えられず、怒りをあらわにする子ども。特に2~3歳頃の子どもが激しいかんしゃくを起こすことは珍しくない。親も戸惑ってしまうが、「そもそも子どもが怒ること自体は、決しておかしなことではありません」と国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)こころの診療部の小枝達也医師。なぜ怒るのか、どう向き合えばいいのか、話を聞いた。

 ◇分かってほしい

 「幼い子どもであっても怒るからには必ず理由がある」と、小枝医師は強調する。大切なのは、怒りの「意味」に目を向けることだ。

 怒りは、子どもなりの自己主張。2歳頃になると欲求が芽生え、それをかなえようと積極的に動く意志を持つようになる。「欲求がかなわないときに悔しいと感じたり、怒りが沸いたりしてくるのは当然のこと。子どもは感情をそのまま表に出すことで周囲に訴えているのです」

 これに対して、大人はどう向き合っていけばいいのか。怒りの感情を乗り越えていくために、子どもが何よりも必要としているのは、周囲の共感だ。「『怒っちゃ駄目』と一方的に感情を否定されては、誰だって面白くありません。自分の欲求がかなえられないなら、せめてそのやり切れない気持ちを誰かに分かってほしい。『悔しかったね、残念だったね』その一言だけで、子どもは気持ちが慰められるのです」

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