土踏まず内側に痛み
~中高生にも起こる外脛骨障害(足のクリニック表参道 桑原靖院長)~
土踏まずの内側の出っ張りが痛むなら、それは通常では存在しない余分な骨(過剰骨)によって生じる外脛骨(けいこつ)障害かもしれない。そのメカニズムや対処法について、足のクリニック表参道(東京都渋谷区)の桑原靖院長に聞いた。
外脛骨は成長とともになくなるが、残ってしまう人も
▽中高生運動部員に多い
足の土踏まず(アーチ)を作る上で大切な骨の一つ舟状骨(しょうじょうこつ)の内側にある外脛骨は成長とともに舟状骨と癒合していくが、そのまま残ってしまう人がいる。
桑原院長は「これまでの診療経験から約20%程度の患者さんに外脛骨が見られます。痛みや腫れが出ない人も多く、外脛骨があるだけでは問題になりません」と説明する。
ただ、足のアーチを引き上げるための後脛骨筋腱が外脛骨に付着しているため、運動の負荷や捻挫などの外傷をきっかけに外脛骨と舟状骨の間が炎症を起こし、痛みが生じる場合がある。特に中高生では成長に伴う体重増加とクラブ活動などでの急激な運動量増加により、外脛骨障害になるケースが比較的多い。
▽専門医の診断を
痛みが生じたら、湿布を貼ったり、足に負荷がかからないように安静にしたりすることが大切だ。ただ、「一時的に痛みが消えても、再び運動を始めると炎症が起こる可能性があるので、繰り返すようなら足専門の整形外科などを受診して、X線検査などできちんと診断してもらいましょう」とアドバイスする。
放置しても骨折などのリスクはないが、痛みをかばおうとして歩行姿勢が崩れると他の部位に負担がかかることもあるため、適切な診断と治療は必須だという。
また、扁平(へんぺい)足の人に外脛骨があると、より痛みが出やすくなる。そのため、治療はアーチを支えるインソール(足底装具)を使用した保存療法が第一選択になる。「繰り返す痛みに対しては、その原因を取り除くことが重要です。アーチが崩れないように自分の足に合ったインソールを使うと、症状が改善する場合がほとんどです」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/05/01 05:00)
【関連記事】