インタビュー

健康管理、十分な準備を=中高年の山登り―高山守正医師

 ◇メディカルチェック

 登山の準備は所持品だけでなく、最も重要なものの一つはメディカルチェックだ。アウトドアスポーツの中でも、最も厳しい自然環境下で行われるものの一つで、体調管理がしっかりできていなければ、重篤な症状に陥る可能性はいくらでもある。

 崖から落ち頭を打って大けがをするようなケースでは、めまいが原因の場合がある。高山医師は「中高年にはめまいが出やすいとか、バランスを崩しやすい人もいる。かかりつけ医を受診し、山登りが可能かどうか事前に聞いた方がいい。また隠れている病気がないか診てもらうことも重要。症状が軽ければ、治せば山に行ける」と話す。

 かかりつけ医がない場合、循環器などを専門にしている内科系クリニックを受診するとよい。不整脈や狭心症を調べるため、運動しながら行うホルター心電図などのチェックが有効だ。問題点が出たら大学病院や専門病院を受診しよう。

 高山医師はヒマラヤトレッキングに行きたいという中高年の依頼を受け、山に行けるか調べ、どこまで行っていいか、などという指導もしている。狭心症が隠れていてバイパス手術をした結果、普通に山登りできるようなったケースもあったという。

 「患者さんには『奥多摩ぐらいは可能だよ』『山登りの時間は下山を含め4、5時間ぐらいまで』などと伝え、制限の中で楽しむようにお願いする場合もある。心筋梗塞になっても『スイスのツェルマットに行きたい』と言う人がいる。『3000メートルまで登らなくていい。2500メートルぐらいの高原を散歩するだけでもいい』というその気持ちはよく分かる」と同医師。病歴があっても体調管理をしっかりすれば登れる場合もあるとした上で、その前提としてのメディカルチェックの大切さを指摘した。(解説委員・松本信彦)

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