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普及に拍車かかるか、ロボット支援手術
「ダビンチに保険」拡大、心臓の弁形成術もOKに

  手術支援ロボット「ダビンチ」を使った内視鏡手術に対する健康保険の適用範囲が4月から一気に広がる。これまでは、前立腺がんと腎臓がんの手術だけだったが、新たに、胃がんや肺がんといった患者の多い病気の手術を含む12件が適用対象として承認されたため。心臓外科分野の弁膜症患者に対する僧帽弁形成術がその中に入ったのも注目点の一つだ。

 ◇保険適用の手術、新たに12件

 「今回、心臓の弁形成術にも保険が認められたのにはびっくりしました」。金沢大医学部教授時代の2005年、国内で初めてダビンチを使った心臓手術(冠動脈バイパス術)を手掛けた日本ロボット外科学会理事長の渡邊剛ニューハート・ワタナベ国際病院総長は、驚きと喜びを隠さない。

 ダビンチは米国で開発され、1999年に販売が始まった。最新機器は第4世代だ。手術する医師は患者から離れて座り、内視鏡の3次元(3D)画像をモニター上で見ながら、ロボットアームの先に付けた鉗子(かんし)などを遠隔操作する。手ぶれの補正機能も付き、習熟すれば精緻な操作が可能だ。厚生労働省によると、国内の医療機関には昨年9月時点で約250台普及している。

ダビンチ最新型「Xi」(インテュイティブサージカル合同会社提供)。手術する医師は患者から離れたコンソール(制御卓、写真右)に座り、ロボットアームの先に付けた鉗子を遠隔操作する
 今、最も利用されているのは前立腺がんの手術だ。保険が使えるようになった時期も2012年度と一番早い。「もともとは心臓の冠動脈バイパス術のために開発したと開発者が話しているが、今、世界で最も多いのは前立腺や婦人科の手術。場所が骨盤の奥なので、既存の内視鏡手術だと難しいが、ダビンチによって、より安全にできるようになった」と渡邊総長は説明する。

 日本ロボット外科学会によると、泌尿器科でのダビンチ手術件数は15年に年間1万件を突破。「前立腺全摘術ではほぼ100%ロボットを使う」という病院も増え、先に普及した米国の後を追うように、前立腺がん手術の標準的な術式になってきた。

 16年度には、腎臓がんの部分切除術にも保険が認められた。既存の内視鏡手術よりも「根治性、腎機能温存の面で良好な結果が得られた」として承認された。

 今回、18年度の診療報酬改定に合わせて保険適用が認められた12件は、胃がんや食道がん、大腸がんといった消化器外科から、肺がんなどの胸部外科、子宮体がん、ぼうこうがんのような婦人科・泌尿器科、心臓外科まで幅広い領域にわたる。

 心臓外科では、冠動脈吻合(ふんごう)術は今回の保険の対象にはならないものの、「最もロボットが得意」と渡邊総長が話す心臓弁膜症の僧帽弁形成術や三尖弁形成術に保険が使えるようになる。

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