高齢者の「スキンテア」
皮膚弱く裂けやすい
高齢者に起こりやすく、皮膚の表皮が剥がれたり裂けたりする「スキンテア」。皮膚が剥がれると患者自身に痛みがあるだけでなく、介護者の虐待が疑われることがある。スキンテアの予防方法や起こったときの対処法について東鷲宮病院(埼玉県久喜市)の水原章浩院長に聞いた。
◇高齢者の皮膚
高齢になると、皮膚の表皮が薄くなり、乾燥が進む。乾燥して弱くなった皮膚は、わずかな摩擦やずれによって裂けたり剥がれたりしやすく、これをスキンテアという。介護現場では日常的に起こる。「高齢者の皮膚が弱くなるのは、年齢に伴うもので完全には避けることができません。だからこそスキンテアの日常的な予防、さらに起きたときの対処法を知ることが大切です」と水原院長は話す。
車椅子への移動、入浴の介助、おむつ交換など、介護者がわずかな力を加えただけでもスキンテアは起こり得る。また、患者自身が転倒したり、ベッド柵にぶつけたりしただけで、大きく皮膚が裂けてしまうことがある。
「高齢者の皮膚は、特に摩擦やずれに弱い。例えば、介護のときは腕を強く握ったり、皮膚を強くこすったりしないようにし、(患者に)ナイロンストッキングやアームカバーをつける、腕にラップを巻く、寝ているときに身体をぶつけやすいベッド柵などをやわらかいクッションやスポンジでカバーするといった工夫でリスクは減らせます」と水原院長。
また、皮膚の乾燥が強いとかゆみが生じて皮膚をかいてしまい、スキンテアのリスクが高まるため、日常的なスキンケアも欠かせない。「市販の保湿剤やワセリンをお湯に溶いて身体全体に塗るなどして、保湿をしてほしい」と話す。
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(2018/05/22 11:08)