あなたのペットは大丈夫?
マダニやノミが媒介 ―人獣共通感染症
◇虫さされと軽視は危険
自然と触れ合う機会が減少している飼い主側も注意が必要だ。長年、東京都内で開業している皮膚科の楠俊雄医師は「いつもと違うかゆみや腫れなどがあっても、蚊やノミを対象にした市販の虫さされ薬を塗っておしまいにする人が多い。この場合、かゆみが治らないだけでなく、化膿(かのう)などの問題が生じる恐れもある」と警告する。
特にマダニの場合は、人の血を吸って膨れあがった体を払い落としても、頭部やくちばし が人の体に食い込んで残ってしまうことが少なくない。放置していると雑菌などが感染する危険もあるので、吸い口 周辺を切開して取り除くことが望ましい。
「雑菌への感染を防ぐという観点からも、理想は払い落とさずに、そのまま医療機関で治療を受けて取り除いてもらうことだ」と楠医師は話す。マダニに刺されてからしばらくたって、微熱などの体調不良が続いた場合も医師の診察を受けた方がよいだろう。「マダニなどが媒介するウイルスへの感染・発症の危険性は低いが、ゼロではない。『マダニに刺されてから体調が優れない』などと診察時に医師に告げ、必要なら感染症の専門医に紹介してもらう方が安全だ」と同医師は念を押す。(了)
- 1
- 2
(2018/06/17 17:25)