CDIメディカル医療インサイト

(第7回)変わりゆく大学病院の「今」
知られざる苦悩と危機感

 ◇地域医療に目を向ける

 --病院の再編による効率化だけではなく、人材育成といった能力や生産性の向上、将来に向けての取り組みにも積極的に取り組まれていますが、お考えをお聞かせください。

神戸大学医学部附属地域医療活性化センター
 杉村    大学病院には建物や設備といった「箱もの」を配備できる能力はないので、やはり「人材」を育ててなんぼだと思っています。

 これに関してもやはり兵庫県と共にお互いの強みを補完し合って、兵庫県の医療を担える人材を一緒に育てて現場で活躍してもらおうと。もっと言えば「働かせる」ではなく、「働きたい」と思ってもらえる環境や状況を大学と県で構築しようと考えました。

 多くの医師がもともと抱いている「病める人々を救いたい、助けたい」と思う気持ちをいつまでも大事にしてもらいたいと私たちは考えました。そうしますと必ずしも高度医療だけではなく、地域医療にも目を向ける必要性から「神戸大学医学部附属地域医療活性化センター」を県と一緒に設立し、人材育成を推し進めています。

 この地域医療活性化センターの取り組みで特出すべきは、やはり兵庫県との連携です。地域特別枠で学生を地元から受け入れているのですが、このセンターは、こうした学生たちの将来の目標、すなわち専門医を取得したいのか、留学がしたいのか、地域医療を手掛けたいのかなどを把握しています。

 ◇新たな教育システム

 そして、このセンターは県からの補助金も頂きながらこうした学生への支援を担っています。具体的には、専門性を持った医師を採用するだけではなく、現場の第一線でも学べるようにと県立柏原病院と連携した教育システムを構築しました。

杉村和朗・神戸大学理事副学長
 県立柏原病院には、地域医療における国内有数の医師にもお越しいただき、希望する学生は最高の環境で学ぶことが可能となりました。県立柏原病院で学んだ医師がさらに別の地域、病院で活躍する流れが出来上がりました。

 驚くことに交通の利便性が決して恵まれた場所にはない県立柏原病院での勤務を希望する研修医が殺到している状況です。

 将来的には神戸大学病院だろうが県立柏原病院だろうが、どこの病院に行っても患者さんのデータが一元管理され、さらに地域のみんなで患者さんを見守れる環境を構築していきたいとも考えています。

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